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第3章 「不条理」への哲学的挑戦
哲学者カントの「理論理性」と「実践理性」の援用
結 章 不条理な「黒い空気」に支配されないための処方箋
「理論理性」と「実践理性」の重層的なマネジメントが鍵となる
参考文献
第1章 「不条理」への哲学的挑戦
哲学者カントの「理論理性」と「実践理性」の援用
・損得計算原理にもとづく経済合理的なマネジメントのもとでは、
不条理な「黒い空気」に支配される可能性ある!
・カントの哲学的解決策! 「黒い空気」支配を回避するための方法!
・カントの解明した「理性理念」では限界がある?
・もう一つの理性 「実践理性」にもとづく価値判断原理に従う必要性を明らかにする!
1 「理論理性」の再把握
カントの解明した「理性理念」では完全に「黒い空気」支配を払拭出来ない?
それを戦史の事例を用いて説明してみたいと!
◇ カント哲学の「理論理性」と日本海軍の「黒い空気」
「陸軍悪玉・海軍善玉」
意識して海軍は隠ぺいを図る!
ここらは半藤一利、保阪正康が詳しい!
・海軍も戦争したかった?
・南方資源確保で、長期不敗の体制??
・戦後、真珠湾攻撃を山本五十六が勝手にやったと!
・有名な石川信吾は「俺が戦争を始めた」
・ドイツに行った軍人はドイツびいきになる! ハニートラップ?
海軍は責任を回避する??
それは大した存在ではなかったからか?
ミッドウェー海戦で負け、負けを隠蔽し、生き残りの兵を隠した!
それは経済合理的な損得計算原理だと!
状況を分析し、損得計算でプラスなら進み、マイナスなら行動しないと!!
【ではプラスとして開戦した???】
◇ 損得計算、理性理念、そして他律的行動
人間の行動原理としての経済合理的な損得計算原理の本質は、
因果論的な行動と言える?
カントは、人間が因果論的にに認識し、因果法則に従って行動する理性を、
「理論理性」と呼んだ!
この「理論理性」に従って因果的に行動することを「他律的行動」と呼ぶ!
それは外にある原因、
お金、モノ、名声、制度、ルール、状況に反応し行動する!
他律的である!!
失敗した時は、
・上司に言われてやった
・お金が欲しかったから
・そう言う制度だったので
・そうすることが得だったから
常に自分に責任は無く、回避し他人のせいにする!
【自分のまわりにも、そんな人間一杯いると】
「責任」と言う概念は存在しない?
啓蒙が必要だと!!!
◇ 他律的マネジメント、経験科学性、そして野蛮性
人間の固有の価値、個性、歴史、尊厳を考慮すれば、
客観的な損得計算は出来ない!
経済合理的な理論理性的なマネジメントは人間に対して野蛮になる!
人間としての尊厳や気品は無いと言う!
・インパール作戦 牟田口廉也はあと何人死ねばインパールが取れるのか?
・ガタルカナル島 辻政信 あと何人いれば奪回できるのか?
理論理性的で経済合理的な人間は、震災現場に来ても
「なぜこうなったのか」
「なぜこのようなことになったのか」
そう言って行動しない!!
【実際に著者はそのような人間を知っているはずだ】
さらに、損得計算原理にもとづく経済合理的で理論理性的なリーダーは」、
自分が人の上に立つか理解出来ないと!!
損得計算原理にもとづく「理論理性」的な経済合理的なマネジメントは因果的で、
客観的妥当性を問える経験科学的マネジメントかも知れない!!
損得計算原理にもとづく、経済合理的な理論理性的なリーダーは、
人間関係上の取引コストを含めて損得計算しようとするので、
いつか合理的非効率や合理的不正といった不条理に陥る!
日本軍のように、不条理な「黒い空気」に支配され、合理的に失敗する???
2 道徳的に価値判断をする「実践理性」の再把握
損得計算原理にもとづく経済合理的なマネジメント、
「理論理性」的なマネジメントには限界がある!!
でつの「実践理論」のより「理論理性」を重層的に制御できれば、
「黒い空気」支配は回避され、空気は清浄化する!!
◇ カント哲学における「実践理性」
電車の中で、席が空き、座ると妊婦に気が付いた!
・見て見ぬふりをする!
・席を譲るのか?
会社勤めで何も不満はないが、高い給料で引き抜かれる!
・行くべきか?
・それは悪い?
女性と付き合っている! 美しい人から交際を求められる!
・受けるべき
・断るべき
因果論的行動を抑制する意識が人間に存在し「理性の事実」だと!
物事を理論的に因果論的に認識し、他律的に行動する「理論理性」だけでなく、
もう一つの理性があると?
これをカントは「実践理性」と呼ぶ!!
これは、自ら内発的に
・正しいかどうか
・良いか悪いか
道徳的に価値判断する理性である!人間固有の価値や尊厳があり、
カントは「人間的」「人間主義的」と呼ぶ!
「人間主義的マネジメント」と呼ぶ!!
◇ 「実践理性」は合理的な不正や非効率を抑止する
ある商品を販売する!
・これを販売するのは、正しいのか?
・正しくないと判断すればどうするか?
・販売中止!!
「実践理性」により、不条理な「黒い空気」の発生を抑止できる!
理論的な因果命題!
「Aならば、Bである」
そうなれば「Bの目的のためには、Aをすべし」
条件付き命法 仮言命法が引き出される!
これを人間は自発的に行動する保証は無い!
外から与えなければ、応用行動Aをしない!
内発的な自由意志にもとづく自律行為が「実践」と呼ばれる!
◇ 理論理性の損得計算原理と実践理性の価値判断原理
実践理性的な価値判断原理によって、
理論理性的な損得計算原理に従う行動を制御できる可能性がある!
裁判官である!
・まず理論的に事実を確定する
・その行為が不正なのかどうか価値判断する
・損得計算する
・正しいかどうか重層的に価値判断する
実践理論が正しくないと判断すれば、メリットがあっても実践すべきではない!
逆にメリットが無くとも、実践理性が正しければ実践すべきだと!
優秀な人は主観的なので価値判断は避けるが、避けるべきではないと!
「客観的な損得計算」の結果と「主観的な価値判断」はたいてい一致する!
一致しない時が、見せ場になる?
損得計算上ではプラスだが、倫理的には正しくない場合!
損得計算上はマイナスだが、倫理的には正しい場合!
「黒い空気」に支配されるか、清浄化出来るのか??
カント的には、価値判断にもとづく自律性行動は、責任を伴う「道徳的な行為」だと!!
人間の自由を意味する!
損得計算の結果と価値判断の結果が一致せず、
あえて価値判断に従って組織を扇動する時は、
・部下をモノとして扱ってなならない
・部下を一つの価値・目的として扱うべきだと
このような原則にもとづくリーダーの資質を、
ドラッカーは「真摯さ」と呼んだ!
経営者には必要だと!!!!
3 「不条理」事例研究[1]
「理論理性」的な損得計算の結果と
「実践理性」的な価値判断の結果が一致しなくて、
「理性理念」な損得計算が制御されて、
不条理な「黒い空気」に支配されず、清浄化する!
◇ 東京電力のリーダー・吉田昌郎の価値判断
・2011年3月11日 東北の大震災!
福島第一原子力発電所の事故!
この時、「理論理性」な判断では現場から逃げ出すことである!
が留まり、最後まで海水を注入した!
「実践理性」 損得勘定ではない!!
人間として行動した!
・自衛隊要請
・冷却のため海水注入!
・放射性物資を含む蒸気を解放する! ベント
・テレビ会談で本店とやりとりする!
【これはえげつなかった! 偉そうに言われている! 何様かと!】
・二号機の圧力急上昇!
「フクシマ・フィフティ」 実際69人だったが………
吉田所長となら死ねると!
「理性理念」な損得計算が、価値判断原理に制御されて、
不条理な「黒い空気」に支配されず、「黒い空気」を浄化・透明化した!
◇ 松下幸之助と中内功の価値判断
戦後、神戸から出て大きくなったもの?
ダイエーに山口組??
片や崩壊したが、片方はいまだに日本最強の座を保っている!
ダイエーも敵が多い!! 西友??
松下幸之助とも対立する!
王道か? 覇道か??
ダイエー VS 松下電器
中内は経済合理主義者である!
値引き、安売りと値段は消費者が決める!
今でも価格破壊の突破口を切り開いたと評価される!
ダイエーは松下電器の製品を許容範囲を超えて値引きしようとする!
松下は販売店を大事にするから当然揉める!
自社の社員、関係者の性格を守る義務がある!
哲学がある! 安売りでは短期的に売り上げは上がる………
その信望者も多い! 人間主義議的な側面もある!
その為、非効率な態度をとることもあった!
が、ダイエー中内功は違う!
安いものを届ければ消費者は喜ぶ!
消費者主権に基ずく経済学理論に従う経済合理的なものだった!
が批判されることも多かった!
・宣伝費節約で、ライバルのスーパーの横に出店する?
・松下電器が出品しない時、倒産した電気屋から仕入れて売る
・1994年 正式和解!
ダイエーはバブル崩壊後崩壊する!
損得勘定でプラスにならないと離れる!
松下電器は、多くのファンがいて損得勘定に支配されず、
危機を共にし共に頑張ると!
このようなマネジメントを展開するなら、
不条理な「黒い空気」に支配される可能性を絶やす可能性が高まると!!
【若かりし頃、ダイエーのオープンに中内功が来て店内巡回していた】
【緊張感に溢れて、OKが出たらホッとしていたのが分かった………】
◇ 花王のリーダーたちの価値判断
目の不自由な消費者から、シャンプーとリンスの区別がつかなうと!
これに対して「きざみ」などつけて区別した!
これを特許にせず業界全体に開示した!
損得勘定では特許を取ればもうかったかも知れないが、正しくないと判断した!
花王の子会社の、カネボウが白斑問題が起こる!
因果関係が証明されていないが、自主回収した!
これへの批判もあったが、損得の問題ではなく価値判断の問題だったと!
このような組織は、不条理な「黒い空気」に支配されることはなく、
忍び寄っても清浄化し、透明に出来る!
4 「不条理」事例研究[2]
前項と逆に「理論理性」が「実践理性」によって制御されなかった事例は?
損得勘定で、不条理な「黒い空気」に支配され合理的に失敗したケースは?
◇ リクルートキャリアの損得計算
・2019年 リクルートキャリアが就活生の「内定辞退率」を、
本人の同意なしに予測し、販売していたと!
これを非難される! 個人情報である!!
損得計算では儲かると!
これが正しいかどうか判断できなかった??
合理的に不適切なビジネスを行うと言う、
不条理な「黒い空気」に支配されたのではないかと?
◇ ナチス・ドイツのアイヒマンの損得計算
この章、読んでいてアイヒマンはメチャメチャな人間に感じる!!
嫌になる! 極悪人ではなく、小心な凡人だった!


アルゼンチンに潜伏し、イスラエルに拉致される!
下記の2作品が詳しい!!
【「検事フリッツ・バウアー ナチスを追い詰めた男」】
【「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」】
・基礎理由は、ユダヤ民族に対する罪、戦争犯罪、人道に対する罪!
・起訴状の述べている意味において無罪だと!
・神の前では有罪だ!
・自分は命令に従っただけだと!
・当時の法体系の元では何も悪いことをしていなかった?
・自分の意志ではない!
・たまたまその立場にいただけだと!
・出世したかったので命令に従った!
・反ユダヤ主義者ではないと!
・ユダヤ人夫妻をスイスへ移住を許可している!
【これは言い訳の命令通りではない? がこれでナチスに処刑される?】
・親戚にユダヤ人がいた!
・ユダヤ人の愛人がいた!
この裁判を傍観していた政治哲学者は、生贄だったと!
これが死刑を正当化する理由で、妥当な法的手続きを欠く裁判だったと!!
【これが許されるなら、日本の捕虜虐待は??】
・ああいう決定になった事には非難があるが、当時の状況ではそうせざる得なかった
・その場の空気から言って、そうせざる得なかった
・当時の社会全般の空気を知らず批判されても困る
と言うことか???
◇ 「アイヒマンにならないための」 哲学者カントの教え
多かれ少なかれこう言う現象は起こりうると!!
カントの答え!
命令に従うかどうかの責任は我々にある!
命令を受け取った時、損得勘定だけでなく、
その上で、命令が道義的に正しいかどうか自らの価値判断に従い行動し、
その行動に責任を持つ!
その判断はどちらでもよいが、責任は取らなければいけないと!!
ジタバタするなと!!!
5 「実践理性」の限界について
「実践理性」の価値判断も万能ではない!
限界について言及する!
◇ それでも「アイヒマン」のような合法的不適切は生じる
重層的に価値判断して行動することが、人間として重要であると!
優秀なリーダーは、自分の主観的な価値判断を正当化するために、
既存の法律、ルール、ガイドラインに求める!!
要は抵触しなければ何をしても良い??
道徳的に不適切でも問題ないと言う「合法的不適切」
舛添要一が政治資金を流用した………
良し悪しを弁護士に尋ねる??
一部は不適切と判断されて、「黒い空気」は清浄化されなかった!!
大学で男子生徒が女子生徒に不適切な行動を起こす!
これは事実であり、処分を裁判後に行うと!
が新事実はなく起訴されない!
学生はそのまま復学する??
女子学生とも顔を合わせかねない???
安易に法律に依存することなく判断が必要だと!
既存の法律、ルール、ガイドラインによる、
コンプライアンスには限界があると!
人間として判断しなければならないと!!
その判断に責任を取る覚悟が必要だと!!
◇ 価値判断を誤らないために 福澤諭吉の教え
福澤諭吉は江戸時代と明治時代と、異なる世界に生きていた!
価値観が全く変わったと!
クジラを食べることは良いことか、悪いことか?
日本人なら、悪いことではないと!
「これは条件付き善」でしかないと!
人間は二面性を持つ!!
・ルーズな人はおっとりしている!
・細かすぎる人は几帳面!
・優柔不断な人は思慮深い人である!
唯一マイナスの側面しかないものは「嫉み」だと!!
リーダーには向いていない!
嫉む人は、他人の足を引っ張り、品のない人だと!!
◇ 価値判断を誤らないために フランクフルト学派の教え
状況により良し悪しを判断すると場当たり的になる?
一貫性が無い??
価値を絶対化する方が危険だと!!
一貫性を維持し、ルール化すると、価値判断は楽になる!
が、排他的、暴力的になる!
科学技術が発達し、野蛮な世界から文化・文明の時代が来たと思ったら、
ナチスのユダヤ人虐殺である!
非同一性のユダヤ人を排除、大量殺人する!
リーダーは道徳的に価値判断して実践し、責任をとる!
これにより、損得勘定が生み出す不条理な「黒い空気」を回避できる!
多くの有能なリーダーは、価値判断は主観的なので避けようとする!
が、避けずにその判断に責任を取るべきだと!
指導者としての気品、魅力が生まれると!
そのようなリーダーのよって、不条理な「黒い空気」は浄化され透明になる!
そして自発的に価値判断する部下も育成される!!
結 章 不条理な「黒い空気」に支配されないための処方箋
「理論理性」と「実践理性」の重層的なマネジメントが鍵となる
・損得計算行動を道徳的な価値判断により制御する必要がある
・経済合理的なマネジメントを人間主義的なマネジメントにより、
重層的にコントロールする!
・これを「重層的マネジメント」と呼ぶ!
・日本の戦史と現在と比較し、
「黒い空気」を清浄化するためのリーダーの在り方に述べる!
1 「重層的マネジメント」とは何か
「重層的マネジメント」を解説するが、日本のリーダーとの相性が良いことを説明する!
◇ 低次の経済合理的なマネジメント
企業は利益を出さなければ、「顧客の創造」が出来ない!
大きな借金を抱えて拘束されると、自由な創造的活動が出来ない!
成果を上げればリーダーは「権力」を持つ!
逆に「権力」に従わなければならない!
経済合理的なマネジメントにより成果を上げると、
損得計算上、得だから会社に残る!
取引も得だから行う?
それは魂のない積み木のような組織であり、組織文化のない組織になる!
そうなれば赤字になれば従業員は離れて、企業も取引を止めて、
顧客も離れる………
メンバーと危機を共有できない!
組織は不条理な「黒い空気」に支配され、合理的に失敗する!
デジタル化にさらされた、富士フィルムとコダックがある!
・コダック 危機的状況を公表しなかった!
・富士フィルム 逆に積極的に危機を公表し、危機を共有した!
経済合理的なマネジメントのもとでは、労使とも損得計算原理に従い、
経済合理的に行動するので、合理的に倒産する
不条理な「黒い空気」に支配され、合理的に失敗する!!
◇ 高次の人間主義的なマネジメント
「黒い空気」に支配されない組織は、
・赤字になっても従業員は辞めない
・取引を続ける企業
・株を保有する投資家
・買い続けてくれる消費者
松下幸之助の言う、
経営者自身が損得計算原理に従い打算的に行動する以上の、
裁判国が判決を下す場合、その方法は??
・事実確認
・不正かどうか判断する
・階層的で重層的に判断する
このようなリーダーは儲かっても不正なビジネスは行わない!
「真摯さ」「気品」「魅力」が生まれ、「権力」の源泉になる!
リーダーの行動である!
・損得計算してより効率的な行動が何か認識する
・その効率的な行動が正しいか重層的に判断する
・それに従うなら、一つの価値がメンバーに掲示される
・部下にその判断をを求める
・部下が正しいと判断してくれるなら組織は強化される
部下を経済合理的なマネジメントのもとに判断する!
・見える能力 業績が高いか?
・見えない点 道徳的に正しいか?
部下のタイプを分類すれば、
タイプ ➀ 財務的業績は高く 論理的にも正しい行動をする部下
タイプ ② 財務的業績は高いが 論理的に不正な行動をする部下
タイプ ③ 財務的業績は低いが 論理的にも正しい行動をする部下
タイプ ④ 財務的業績は低く 論理的にも不正な行動をする部下
タイプ ① ③は問題ない!
タイプ ②は評価すべきでない!!
タイプ ④は解雇すべきだと!!! 可能であれば………
◇ 批判的で合理的で、開かれた望ましい組織
部下をめぐって経済的側面を評価するだけでなく、
倫理的側面も評価するリーダのもとでは、
メンバーで批判的議論が可能になる!
部下をモノでは無く人間として価値判断する!
問題を一致団結して解決しようとするので、組織は持続的に進歩する!
「批判」は否定でも皇帝でもない!
組織は合理的に進歩し、カントの言う「目的の王国」である!
が、そうでなければ部下は、
・考えるな
・頭を使うな
・言われたことだけやれ
・体を動かせ
【西武の堤義明みたい???】
批判的な議論が出来ないために組織はドグマ化し、
「黒い空気」に支配され、野蛮化する!!
経済合理的なマネジメントによって制御される、
重層的マネジメントを展開すれば、不正をしている従業員はびくびくする!
反対は生き生きし、健全な組織文化が形成される!
重層的マネジメントを行うリーダーのもとでは、損得計算の結果のみならず、
結果が正しいかどうかを自律的に判断して行動する従業員が育成されて、
次世代のリーダーも育成されると!!!
◇ 「重層的マネジメント」による「黒い空気」の回避
原子力発電所の安全性をめぐる不条理な「黒い空気」の清浄化!
最大の問題は、地域住民の説得であり、コストは非常に高い!
下げるための安全に対する制度、設備のコストも非常に高い!
そこで当然手抜きした方が安くつくとなる………
損得計算上合理的と言う不条理な「黒い空気」に支配される………
安全性を高めるためには、設備投資にコストがかかる!
経済合理性と安全性は一致しない!
経済合理性を追求すれば、安全性に不適切なマネジメントになり、
電力会社は不条理な「黒い空気」に支配される!
人間の他律性を利用した経済合理的なマネジメントをもとに、
経済合理的な安全性を確保する!
しかし従業員はそれ以上の安全性を追求しない!
高コストで経済非合理になる!
人間の道徳を引き出す人間主義的マネジメントが展開され、
従業員の主体的な価値判断を引き出せるなら、
経済合理的な安全状態に留まるのが正しいか判断させれば、
損得とは無関係に安全性の追求が正しいと価値判断する!
理論理性が実践理性によって制御される重層的マネジメントのもとでは、
他律的な損得計算原理を、自律的な価値判断原理によって制御できるような、
従業員が育成され、損得計算上ではマイナスでも高度な安全性を追求することは正しい!
そう価値判断する!
このような組織では、原発をめぐって発生する不条理な「黒い空気」は、
清浄化されると!!!
◇ 「重層的マネジメント」とイノベーションの関係性
「重層的マネジメント」はイノベーションを起こしやすい!
イノベーションは「新結合を実行すること」
リーダーが問題になる!!
ビジネスの種類は??
タイプ ① 新ビジネスは儲かりそうで、倫理的にも正しい
タイプ ② 新ビジネスは儲かりそうだが、倫理的にも不正である
タイプ ③ 新ビジネスは儲かりそうもないが、倫理的には正しい
タイプ ➃ 新ビジネスは儲かりそうもなく、倫理的にも不正である
タイプ ④は中止すべきである!!
イノベーションが起こるとすれば、③のケースしかないと!!
この企業家精神は、正しいかどうかを判断する実践理性であり、
価値判断にもとづく実践力だと!
ソニーの井深大のウォークマンの開発がある!
多くの反対、録音機能を無くすという意見もあるなか、
誕生した!
花王はイノベーションを多発している!
多くの研究者が適切に交わり、新結合が生み出されたと!
それには嫉まない価値判断がある!
・すごい
・いいね
・素晴らしい
・面白いね
部下を批判することは簡単である!
が、褒めるのは難しい! 理論を越え想像力が必要だと!
リーダーは論理的志向だけでなく、価値判断も必要だと!!
◇ 日本古来の心と通じる重層的マネジメント
重層的マネジメントは非常に日本的だと!
小林秀雄である!
「大和心」
大江匡衡と妻赤染衛門???
正しいかどうかといった道徳的価値観の行動を理解する!
中国から入って最新技術が「漢心」「漢才」
著者が言いたいこと!
不条理な「黒い空気」支配を回避するには、
指導者は、科学的な「漢心」だけでなく、
道徳にかかわる見えないことも理解し、評価する「大和心」も必要だと
天才数学者 岡潔!
人間の知恵には2種流ある! ソ連を例に出す!
・最新の科学知識を保有し、金星にロケットも打ち上げる!
・プラハの春のチェコ侵攻!
人間としてはどうなのか?
カントの実践理性の方が、理論理性よりもはるかに上だと!!!!
【現在のロシアウクライナ侵攻、中国の台湾侵攻の噂!】
【何も変わらない………】
2 「不条理」の克服に向けてー戦史と現代の事例比較から
「重層的マネジメント」を旧日本軍と現在の指導者を比較を3つの事例で紹介する!
何が欠けていて、何を求められているか?
◇ コロナ禍と日本のリーダーたち (日米開戦時のし指導者との比較から)
・2020年 新型コロナ!
・対策を徹底すれば、経済は停滞破綻!
・経済活動を優先すれば、感染は拡大する!
この時に「Go To トラベル」を実施する!
失敗と言う!!
◆ まず、太平洋戦争の指導者である!
・満州国が認められずに中国からの無条件撤退を言われる!
・資源を禁輸される!
・独ソ戦が始まり、陸軍は対ソ戦、海軍は南方資源確保!
・それがアメリカの怒りを買い石油禁輸になる!
・中国大陸から撤退すれば国民が納得しない! 暴動が起こる!
・アメリカとの戦争は勝てない!!
日本は損得勘定する!!
見えないコストを含む「取引コスト」を計算する!
海軍は?
・石油備蓄は1年半しかない!
・戦争を避けるには海軍は陸軍を説得する! コスト∞!
・損得勘定では戦争すのが合理的だと!
陸軍は?
・手ぶらでは帰れない?
・撤退するには国民を説得する? コスト∞!
日本は、不条理な「黒い空気」のもとで、損得勘定の結果を正当化するために、
データの見積もりを曖昧にする!
⑴ 海軍は今開戦すれば緒戦の2年は勝算有!
⑵ 南方資源を確保すれば3年目から時給は可能
⑶ 日本への輸送は、輸送艦船を確保出来る!
願望である? 時間をかけて見積もりを甘くする!
願望を客観的事実と思う!
指導者たちは、不条理な「黒い空気」に支配され、
メディアが後押しする!!
◆ 2020年 コロナの日本の指導者は?
・対策を徹底して人の動きが停滞し、経済活動は破綻する!
・経済活動を促進すれば、拡大、医療崩壊が起こる!
経済優先で「Go To トラベル」を前倒しで実行する!
何も根拠がない!!
【大物・二階俊博が「全国旅行業協会の会長を務め、強く推進し実行する」】
政治家と観光業界の黒い関係もある!
中止しようとすると「取引コスト」が膨大になる!
つまり経済活動を優先する方が合理的と言う、
不条理な「黒い空気」に支配されていた??
感染のピークも甘い解釈を行う!
この時点で死亡者が多ければ対策を行っていたであろうと!!
指導者は頭脳明晰である!
経済合理的な損益計算原理で損得計算し、プラスなら前進し、マイナスなら後退する!
因果関係の原因を決定する計算でもある!
日本は抵抗勢力の出現を予想し、説得の費用を忖度し、
損得計算に含む!
それが大きいと現状が非効率で不正であっても、変化すると損になるので、
合理的に非効率で不正があっても現状を選択することになると!
日本のリーダーは不条理な「黒い空気」に支配され、合理的に失敗する!!
◇ 東京オリンピック開催と日本のリーダー(旧日本軍の指導者との比較から)
開催か、中止か??
ただあの時期に開催できたのは調教ぐらいだと言われていたが………
結局局開催したが、反対してい裁判にしていた宇都宮健児みたいな人間もいる!
立憲も天皇まで持ち出して反対するが………
開催は強行されて、コロナは急速に拡大した!
戦後、丸山眞男が日独の指導者を分析する!
・ナチス・ドイツ 明確な意識と意図を持っていた!
・日本 なんとなく開戦に突入し、無責任だと!
東京オリンピックは、開催により医療崩壊に直面!
この費用負担の問題もある!
責任は?
・首相
・東京都知事
・大会組織委員長
・五輪担当大臣
誰も責任を取らない?
◆ 太平洋戦争の日本の指導者は秀才である!
経済合理的な損益計算原理で損得計算し、プラスなら前進し、マイナスなら後退する!
因果関係の原因を決定する計算でもある!
計算が、損得計算が早い!
「見えないコスト」も計算する!
人間は限定された情報に中で行動しようとする、
「限定合理的」であり、スキあらば利己的利益を追求する「機会主義的」な存在である!
ここで人間関係上の無駄を「取引コスト」と言う!
現状が非効率で不正であっても、変化させるのは難しいと理解している!
抵抗勢力の出現し、説得の費用も多大なことを理解している!
戦争を避けるには中国からの撤退しかない?
が手ぶらで帰れず、何十万人の英霊に申し訳ないと!
撤退すればこれまでの投資が「埋没コスト」になる!
国民の説得コストも高い!
クーデターの可能性もある!
今後の機会コストも失う!
勝てないまでも戦争を選択する方が合理的に不条理に陥った?
指導者たちは、不条理な「黒い空気」に支配され、
国家が悲劇に向かっていると理解しながら、
「黒い空気」のなかで開戦を決意する!!
◆ 東京オリンピック
同様に埋没コストが大きい!
・大会招致
・新国立競技場
・周辺の施設
・開催によるメリット、多くの機会を失う!
開催した方がプラスだと計算した!
不条理な「黒い空気」に支配され、オリンピック開催を決める!!
と言うより無責任さがある!!
ドイツの指導者は明確に責任意識があった!
日本とは違う!! 日本は正当化しようとした!!
H・ゲーリングはオーストリア併合は100%自分の責任だと!
日本は行軍であり、「皇道」「聖戦」であり、殺伐行為も「皇道」と関われさせて、
責任を曖昧にした!
旧日本軍と同様に、
・人類がコロナに打ち勝った証
・安心と安全の大会
それにより責任を曖昧にした?
損得計算原理に頼るとどこかで不条理に陥る!
取引コスト、埋没コスト、機会コストを過大評価し、
ベネフィットを過小評価する傾向がある!
旧日本軍と同じような選択をする!!
◇ 体育会系運動部にみられる日本の指導者(旧日本軍の軍隊との比較から)
日大アメリカンフットボール部のタックル事件!!
森友、加計問題と重なると!
アメリカンフットボールのQBはプレー中無防備になるので、
攻撃、タックルしては行けないと!!
このタックルを命令された??
部活と軍隊は密接に関係していたと!
非人道的な作戦 特攻と、部活の先輩後輩の関係と似ている!
◆ 部活
後輩は先輩に絶対服従する!
年功序列!
「嗚呼!!花の応援団」
一回生 ゴミ
二回生 奴隷
三回生 人間
四回生 神様
よく分かる!!
非科学的な根性論、精神論がはびこっている!!
◆ 特攻
大西瀧治郎が提案したと??
現実はそれ以前に指示されていたようだ!
・人間魚雷「回天」
・人間爆撃機「桜花」
・人間爆弾ボート「震洋」
・人間機雷「伏龍」
要は中央から命令せずに、自発的に行ったと??
責任逃れである!
戦後、下級将校がそれを攻撃する!
【保阪正康が記録しているが、元整備兵が語ったと】
【きれいごとではない! 無理やり飛行機に乗せて出撃させたと】
日大も軍も、損得計算で、その方が良いと判断されたと!
あの時の状況がそのような命令を生み出した!
「そうせざる得なかった」
責任は感じないと!!
日本は世界でもっとも人間の命を粗末にした!
それを学んでいない組織が、一部の体育会系運動部か???
【著者は書いている】
安易に法律に依存することなく判断が必要だと!
既存の法律、ルール、ガイドラインによる、
コンプライアンスには限界があると!
【が、日大の監督は無罪判決を得て、復帰を図った】
◇ 日本のリーダーに欠けているものと必要なもの
日本のリーダーは、現状が非効率で不正であっても、変化させることなく、
現状を維持すると言う、不条理な「黒い空気」に支配される!!
このような損得計算原理の行動は、他律的になる!
原因は常に外にあると!
これは常に言い訳できる!
・そのような状態だったから
・そう言った制度だったから
・そういうルールだったから
はなから人間を消耗品として扱っている?
ではどうするのか??
まず徹底的に理論理性にもとづいて損得計算し、
その結果に従って行動することが、果たして正しいのか?
より高次の立場から重層的に価値判断すべきだと!!
正しく判断されれば中止となる?
がもし行ってもリーダーは責任を取るべきだと!
そこに人間としての尊厳、気品、真摯さがあり、
リーダーとしての権威が生まれると!!
このようなリーダーは、部下を道具や手段として扱わないと!
このような階層的で重層的な価値判断が、今日日本のリーダーに求められていると!!
3 総括 不条理に負けないリーダーの在り方
不条理な「黒い空気」を回避し、空気を清浄化できるリーダーについて整理し、
「重層的マネジメント」の必要性を再確認する!!
◇ 「黒い空気」を清浄化できないリーダー
損得計算原理を批判しているが、完全に否定はしていない!!
与えられた状況を徹底的に分析し、すべてを損得計算し、プラスなら前進し、マイナスなら後退する!
が、経済合理的なマネジメントだけを徹底的に遂行しようとすれば、
部下を物質や動物のように扱う!
いつか不条理な「黒い空気」に支配されて、合理的に失敗する!
要は、リーダーは損得計算にもとづく経済合理的なマネジメントで、
勝負してはならない??
解けない問題に会うと、パニックになり、
見て見ぬふりをする??
まことに残念で情けない行動である!
リーダーは不条理な「黒い空気」に包まれる!!
◇ 「黒い空気」を清浄化できるリーダー
損得計算原理にもとづく経済合理的なマネジメントだけでは不十分である!
人間主義的なマネジメントが必要である!
最終的には道徳的に判断する!
責任は取るべきだと!!
でなければアイヒマンみたいになる!
今日の宗教団体の選挙協力!
選挙に勝つには必要だが、倫理的に正しいのか?
既存の法律、ルールやガイドラインに従うのが有効か?
倫理的勇気をもって人間として自ら判断する!
損得計算と価値判断は一致する!
たいてい得することは正しく、損することは正しくない!
一致しない時は?
高次の道徳的な価値判断の結果に従う!
損得計算原理を価値判断原理により重層的に制御して行動する!
人間として部下を扱い手段として使ってはならない!
そのリーダーは、魅力、気品が生まれる!
リーダーとしての権威が生まれると!!
◇ 「重層的マネジメント」が不条理を克服する
経済合理的なマネジメントを人間主義的なマネジメントで制御する、
重層的マネジメントを展開するリーダーは、
部下の見えることだけでなく、見えない部分も見ようとして部下を評価する!
それゆえ合法的非効率や不正と言う「黒い空気」に支配されることなく、
「黒い空気」を浄化できると!!
こう言うリーダーのもとでは、次世代リーダーも育成される!
損得計算だけでなく、道徳的勇気をもって主観的な価値判断による行動で、
責任を取る覚悟を持つ!!高次の道徳的な価値判断の結果に従う!
損得計算原理を価値判断原理により重層的に制御pして行動する!
そうなれば不条理な「黒い空気」に支配されず、
透明で、清々しい空気に包まれると!!!
参考文献
指導者(リーダー)の不条理 組織に潜む「黒い空気」の正体 ②・菊澤研宗
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