
「黒い空気」を知らない人は合理的行動で失敗する。
佐藤優氏推薦! (作家・元外務省主任分析官)
人と組織は合理的に失敗する!
とくに日本の組織において表面化するこの「不条理」のメカニズムの解明に長年挑んできた著者!
その積年の研究を発展させ、経営学者、組織論の研究者としての「不条理」研究の集大成として書き下ろしたのが本書である!
失敗する組織内では、指導者たちの合理的な判断によって、「やましき沈黙」が生じる!
そして、どこかに潜んでいた「黒い空気」が、いつのまにか組織全体を覆ってしまうと著者はいう!
日本の「空気」の研究においては、これまで故・山本七平氏の論が多くの読者に支持を得てきたが、グローバル化にのみこまれ、
変質し続ける日本社会において、その論を超える社会・組織の分析が必要とされているなか、
著者は自らの幅広い学問知識を援用してこの難題に挑戦した
日本近代の戦史から現代の企業経営史まで、絶えることのない「不条理」現象に着眼し、
最新経済学やダイナミック・ケイパビリティ論などの経営学、さらにはカント哲学を援用して、
組織を汚染し、破滅に至らせる病への処方箋を、現代を生きるリーダーに向けて提示する!
悲劇の戦史からの学びを、自らの仕事・経営に生かすことを願うリーダーたちに贈る著者渾身の書き下ろし!
大変楽しい内容である!!
著者の本は佐藤優の推薦で読んだ!
そう言う本は面白い!
何冊か読んでいるが、「合理的に失敗する」
この失敗を合理的と言うのにおかしみを感じるが………
内容は重複するものが多い!!
記憶に残るのは「日産の改革」
珍しい成功例であるが、日本人ではない!
「取引コスト」「埋没コスト」を意識しないレバノン人、
フランス人である!
しがらみが無いと!!!
内容は下記の通りである!! ① ②と分けて紹介する!!
➀
まえがき
序 章 日本の戦史にみる失敗の真因
指導者は不条理な「黒い空気」に覆われて失敗する
第1章 「不条理」への経済学的挑戦
戦史にみる「黒い空気」発生のメカニズムと最新経済学
第2章 「不条理」への経営学的挑戦
ダイナミック・ケイパビリティ論とドラッカー経営論の援用
②
第3章 「不条理」への哲学的挑戦
哲学者カントの「理論理性」と「実践理性」の援用
結 章 不条理な「黒い空気」に支配されないための処方箋
「理論理性」と「実践理性」の重層的なマネジメントが鍵となる
参考文献
まえがき
著者は新古典派経済学を学ぶ!
。合理的な企業は成功する!
・非合理な組織は失敗し淘汰される!
どちらかになるが、防衛大学校で教官を務めて理解した??
「組織は合理的に失敗する」
第三の現象がある!
これを「不条理」と言う!
要は、○か✕ではなく△があるということか??
がこの発生のメカニズムは理解出来るが、その解決案は?
「ダイナミック・ケイパビリティ」
この戦略経営論でも解決出来ない?
「山本七平 空気の研究」
この空気を著者によると「黒い空気」?
これは「カント哲学 実践理性」の助けで解決出来る!
著者は「不条理」を20年研究し、本書はそれを構成している!
序 章 日本の戦史にみる失敗の真因
指導者は不条理な「黒い空気」に覆われて失敗する
1 「戦艦大和の沖縄特攻」はなぜ実行されたか
山本七平は「空気の研究」で、戦艦大和の沖縄特攻を取り上げる!
要は「空気論」である!
その場の雰囲気だと!
が、それではなく「新しい空気論」で「黒い空気」を提示する!
◇ 作戦の発案 神重徳大佐の主張
・1945年4月1日 アメリカの沖縄上陸
日本は「菊水作戦」の元、航空機による特攻作戦を展開!
神重徳大佐が大和による沖縄特攻を主張する!
沖縄本島に突入させて大和を座礁させて砲台として利用する?
弾丸が尽きた後は乗員は突撃する!
死にに行けと言うものである!
これより前に、サイパン島への戦艦扶桑、山城を特攻を計画する!
が行わない!!
・航空機の援護がない
・途中で沈没の可能性が高い
・到着しても無事ではすまず、電気系統の損害で砲撃できない!
冷静に判断していた!
ついでに言うと、砲弾は陸上用と艦船用とでは違う!!
沖縄特攻では、戦艦大和が生き残って敗戦すれば見せ物になる!
最後の花を咲かせたいと!
成功率はゼロではないと?
神重徳大佐は、熱情的な軍人ではなく、論理的な損得勘定の早い人間だと!
海軍兵学校も大学校も落ちはしたが、優秀、酒席で卒業する!
◇ 作戦の承認 指導者たちによる意思決定
海軍軍令部
・富岡定俊少将 反対!
・小澤治三郎 承認
・及川古志郎 承認
・草鹿龍之介 反対
・豊田副武連合艦隊司令長官 承認
これには不明な点が多い!
天皇に航空機だけかと聞かれて水上兵力も全てだと回答?
それで神重徳大佐の意見が採用された??
◇ 作戦の実行 意思決定後の現場の指導者たち
沖縄特攻の伊藤整一司令官に説明する!
海軍大学校を首席で卒業!
頭脳明晰、ロジカルでアメリカ帰りの知性派エリート!
猛反対する!
・航空機の護衛が無い
・3000人以上の乗組員がいる
・片道の燃料とは
・同行する9隻の軽巡、駆逐艦の艦隊も反対する!
説得である!
・陸軍の総攻撃がある!
・一億特攻の先駆けになって貰いたい!
ここで折れる!
大和はハイテク艦で、片方が攻撃されれば、
自動的に反対側が注水されてバランスをとる!
アメリカはこれを知っており、片側を攻撃した!
300機で攻撃される!
3056人戦死、270人が生き残る!
【伊藤整一は引き上げる許可を貰っていて、雪風などが生き残る!】
沖縄の八原博道大佐は、総攻撃の命令に応じない!
牛島司令官は特攻を思いとどまるように打電していた?
【映画 沖縄決戦 八原博道大佐を仲代達也が演じていた 憎たらしかったが】
【大和の護衛に、伊藤整一の息子が参加している 途中で引き上げ後に特攻で戦死!】
2 「戦艦大和の沖縄特攻」に対するこれまでの定見
山本七平は「空気」の存在を言う!
若かりし頃読んだが、今ほど理解していなかった!
日本人固有の宗教観、倫理観がある………
◇ 伊藤整一司令長官が対峙した「空気」(山本七平の味方 ①)
海軍は、サイパン特攻では冷静に判断した!
同じ状況下で、沖縄特攻は決行される!
伊藤整一はこの「空気」の存在を知らなかった?
時間の経過とともに逆らうことのできない「空気」を理解する!
特攻を理解したのではなく、空気を理解しただけだと!
この空気は現在まで続いていると!!
◇ 日本人固有の「臨済看的把握」(山本七平の味方 ②)
空気とは??
・ああいう決定になった事には非難があるが、当時の会議ではそうせざる得なかった
・議場の空気から言って、そうせざる得なかった
・当時の社会全般の空気を知らず批判されても困る
日本人の判断基準!
・論理的
・空気的
最後は空気により決定されることが多い!
その空気とは?
・抵抗できない
・理屈が通用しない
・科学的に説明できない非合理なものだと
「臨済看的把握」により空気は生まれる!
「臨在」 キリスト教では「見えない神が存在する」
その事例は??
人骨がある! 日本人はその背後に何かが存在していると感じる!
ご利益があるのではないかと?
あらゆるものに神が宿っている?
アニミズム信仰によるものだと!
八百万の神??
神がやどる対象は無数にある!!
日本人は直ぐに切り変えれる?
戦中の思想は簡単に戦後切り替えられた!
が、その対象によって人間が拘束されると!!!
◇ 「空気」に支配され続ける日本人(山本七平の味方 ③)
この場合はどうする??
水を差す??
しかしたいがい「焼け石に水」のようだ………
水を差すのは単なる「空気の転換」だと!
数カ月前まで1億玉砕を叫び、あっと言う間に平和と民主主義を唱えた国である?
正しさの根拠を移動させ、倫理的な崩壊を深刻に感じず過ごしてきた!
水を差しても、それが新しい空気に変わるだけだと!!
3 「戦艦大和の沖縄特攻」の真相
「空気」についての十分な説明がなされていない!
新しい概念「黒い空気」を提起する!
◇ 旧日本軍に発生した「空気」の正体
大和特攻である!!
海軍軍令部次長 小澤治三郎、
連合艦隊司令長官 豊田副武
両者は空気の存在を認めている!!
しかしそれなりに計算して、低いと言うより、わずかな可能性に賭けた??
非合理な「空気」に支配されたのではないと!!
これは言い訳ではないか??
【なら神重徳大佐に指揮をとらせれば良かった?】
◇ 「空気」を読んで、変化に栗しむ現代の日本人(空気論の再検討)
KY??
女子高生の間では空気が読めない??
個人的には「危険予知」と理解していた!!
忖度?? 空気を読んでゴマをする!
現在の「空気」と言う言葉は、宗教論的で非合理な意味ではなく、
別の意味があるのではないか??
戦後、アニミズム的な宗教的な要素は薄れ、
欧米流の経済合理的な思考が急速に浸透してきている?
山本七平は、日本人は罪悪感もなく切り替えも早く、空気を読んで変化する!
現在は逆に、過度に空気を読んで、切り替えが出来ずに、変化に対応しきれていない!
日本の組織や指導者を支配しているもの、
それを「黒い空気」と呼ぶ!
山本七平の空気とは違う空気だと!!
◇ 求められる新たな空気論 「合理的失敗」「不条理」「黒い空気」
著者の本をよく読んでいるので分かるが、「完全合理性」では限界がある!
・限定合理性
・不完全性
限定的、自分の都合のよい情報で合理的に行動しようとする?
そうなれば、合理的に失敗する?
この場合、コストが重要になる!
解説がある!
◆ 不条理の定義 その一
非効率な現状でも、効率的な状況へと変化する場合、
コストが発生し、大きすぎると現状維持になる!
◆ 不条理の定義 その二
現状が不正でも、正しい状況へと変化する場合、
コストが発生し、大きすぎると不正な現状を隠蔽する!
◆ 「黒い空気」の定義 その一
変化・改革した方が倫理的に正しくとも、不正な現状を維持隠蔽する方が、
合理的と判断した場合、不条理な「黒い空気」に支配される!
◆ 「黒い空気」の定義 その二
変化・改革した方が効率的であっても、非効率な現状を維持する方が、
合理的と判断した場合、不条理な「黒い空気」に支配され合理的に失敗する!
◆ 「黒い空気」の清浄化の仮説 その一
損得勘定ではなく道徳的勇気をもって、変化・改革し組織の効率性を追求する時
「黒い空気」は浄化される!
◆ 「黒い空気」の清浄化の定義 その二
損得勘定ではなく道徳的勇気をもって、変化・改革し組織の倫理的な正当性を追求する時
「黒い空気」は浄化される!
新しい合理的な空気論を構築、展開する!!
第1章 「不条理」への経済学的挑戦
戦史にみる「黒い空気」発生のメカニズムと最新経済学
3つの代表的な戦史を取り上げる!
その上で「黒い空気」の支配を回避するための経済学的な解決案も、
「取引コスト理論」を援用して説明する!!
1 不条理な「黒い空気」と戦争指導者たち
◇ 戦前日本の指導者たちと決意泣き日米開戦
何故勝てない戦争に立ち向かったのか?
・共同謀議説
・東南アジアの解放
・独裁体制論
・相互責任論
どうあれ日本が積極的に展開した戦争である!
戦後の行われた関係者へのインタビューがある!
陸軍も海軍も冷静に判断し、勝てないことが分かっていたと??
強硬な姿勢ではなく、戦争を回避しようと努力した?
誰もアメリカと戦いたくなかった??
ここらは無責任極まりないと思うが!!
・陸軍省戦備課長 岡田菊三郎 国力は80倍と報告!
・島田繁太郎海軍大臣は。、対米戦に自信が無いと!
・海軍から言えないので総理大臣から非戦を言って欲しい!
・東條英機 海軍が不同意なら陸軍は戦を主張をしない?
・陸軍軍局長 武藤章 海軍から戦争したくないと言ってくれ、そうすれば陸軍は説得する?
・企画院総裁 鈴木貞一 物資面から戦争は出来ない?
【保阪正康はインタビューについて分析している】
・嘘を言っている!
・証言しているうちに本当と思い込む!
・ここまでははっきり覚えている、がここからは、
後から聞いたこととごっちゃになっているかもしれない!
最後は信用できるようだ!!
【猪瀬直樹 昭和16年夏の敗戦】
各界の俊英を集めて日米戦を検討する!
要は勝てない! 抜粋である!!
アメリカは対日計画、オレンジ計画があったが、ミニッツ提督はほぼその通りに推移したと!
この総力戦研究所のシミュレーションもほぼその通りに推移したようだ!
奇襲攻撃からソ連参戦まで予測し、原爆投下は想定出来なかった!!
それでもこの研究結果は東条英機に示された!!!
研究所はイギリスとロイズ保険を調べている!
船舶の損失を、10万トン/月で、年間120万トンになる!
造船能力は5万トン/月で、年間60万トン!
実際は 1942年89万トン、1943年167万トン、1944年369万トンの損失である!
東条英機が発表する!
「これは机上の演習である! 実際の戦場はそういうものではない!
日露戦争も勝てるとは思わなかったが、勝利出来た!!
戦いは計画通りには行かない! 意外裡の要素を考慮しなければならない!!」
時系列がある!!
・1939年9月1日 ドイツ ポーランド侵攻!
当時の指導者は強力である!
ルーズベルト大統領、チャーチル首相、ヒトラー総統、
スターリン最高指導者、ムッソリーニ統領!!
日本はいない!!
・1940年5月10日 ドイツが西方電撃戦を開始!
日本はドイツの勝利に魅了される………
・9月23日 北部仏印へ進駐
・9月27日 日独三国同盟締結
アメリカは対日制裁に踏み切る!
【2022年 ロシアのウクライナ侵攻による経済制裁があるが………】
・1941年2月 野村吉三郎をアメリカに派遣!
・6月22日 バルバロッサ作戦 独ソ開戦!
この時期、石油資源を確保のために南方への武力侵攻が主張される!
ドイツの快進撃に
・ソ連敗北間違いなし
・千載一遇の好機到来
火事場の泥沼か、バスに乗り遅れるなか???
北進論がある!
がソ連軍は西方に移動していない!
・7月2日 大本営政府連絡会議!
外交交渉を行い、海軍の南方の進出と陸軍の対ソ戦の準備!
そう言うことで、85万の大軍を満州に集結させ、
「関東軍特種演習(関特演)」を行う!
脅しである!
・9月 対米戦を意識する!
分析により勝てないと!! 矛盾する!
◆ 撤退
・石油は貰える
・日清戦争以来大陸に続けた投資が無駄になる
・テロが起こる可能性があると!!
◆ 南方資源の確保
・アメリカとの戦争 勝てない!
◆ 静観 自滅???
近衛首相はルーズベルト大統領との直接会談で、
撤退し、制裁解除を求めようとするが、そんな力は無いと思われる!
近衛は辞職し、東條英機が総理大臣である!
【戦争に自信がある人間がやればよい??】
・11月26日 ハルノート
・11月27日 開戦決意! 嫌な空気が支配する?
生き残った者の証言は?
・独裁的な政治体制で無かった
・弱さ、指導者に気概が無かった
・指導者に人がいなかった
アメリカは、感情的で狂信的であったことだと!!!
◇ 義烈空挺隊の沖縄特攻と指揮官たち
義烈空挺隊は日本陸軍最強の空挺師団である!
どの国も空挺部隊は精鋭である!
ドイツはクレタ島占領に空挺部隊を用いた!
多大な犠牲を出して成功した!
・1940年12月 創設
・1941年1月 初の空挺部隊誕生
・1942年2月 緒戦にパレンバンに降下し成功する!
「空の神兵」と呼ばれる!
が日本軍の敗退により、出番は無くなる?
・1944年4月 サイパン島占領 B29の基地になる!
これを日本も空から攻撃する!
ここに義烈空挺を送り込もうとした!
「神兵皇隊」
が投入時が決まらず、硫黄島も占領され作戦を躊躇される!
隊員168人の士気は上がらず、毎日美食している!
自分らを、「義烈空挺隊」の部隊名を捩って「愚劣食放題」と自虐的に自称する!
サイパン島、硫黄島攻撃が中止されて、沖縄特攻になる!
・大和の特攻である!
・義烈空挺部隊の攻撃「義号作戦」
義烈空挺隊輸送機として九七式重爆撃機12機、
飛行場夜間爆撃機として四式重爆撃機12機、九九式双発軽爆撃機10機の投入を命じ
海軍の第五航空艦隊司令長官宇垣纏中将は義号作戦を援護するため、
一式陸上攻撃機17機、銀河13機、それに護衛として夜間戦闘機12機の投入を決定!
戦況は悪化で、投入しても無駄死にになると命令が出されない!
それより本土決戦に置いておきたい!
部隊の陳情により作戦が決行される!
部隊に「黒い空気」が流れている!
指令官もこの空気で反対できなくなる………
義烈空挺隊は12機中、1機突入成功、4機突入断念、7機被撃墜!
与えた損害は、
・F4U戦闘機2機、C-54輸送機4機、PB4Y-2爆撃機1機が破壊!
・B-24爆撃機1機、F6F戦闘機3機、F4U戦闘機22機が損傷!
・戦果は合計26機!!
・ドラム缶600本の集積所2箇所が爆破され炎上、70,000ガロンの航空機用燃料が焼失!
沖縄、八原博通大佐は作戦に批判的である!
この120人を軍に参加して欲しかったと!!
嫌な奴!!
もっと効果的に投入できなかったのかと??
【三野正洋は、この作戦を評価している? やりようでもっと損害を与えられた?】
2 日本の戦史を「取引コスト理論」で読みなおす
取引コスト理論で意思決定を解説する!
・日米開戦
・義烈空挺隊の沖縄特攻
・戦艦大和の沖縄特攻
◇ 新古典派経済学では現実の現象を説明できない
「取引コスト理論」で「黒い空気」発生メカニズムを説明する!
新古典派経済学では?
① 全ての人間は完全に合理的である! 合理的に行動する!
② 全ての人間は利益最大化、効用最大化する!
この場合、経済的効率性と倫理的正当性の不一致は起こらない!
が現実には、事業部制を採用している企業は、
各事業部の個別合理性と会社全体の全体合理性は一致しない!
不正にかかわった社員は、正しい悪いは分かっている!
が、倫理的正当性を無視し、経済的効率性を追求したと言う!
合理的企業は成功し、非合理的企業は失敗する世界では説明出来ないことが多い??
◇ 経済人仮説から経営人仮設へ
人間は「完全合理的」でも「完全非合理的」でもない!
「限定合理的」である!
新古典派経済学の「経済人仮設」に対して、
「経営人仮設」と言う人間仮設である!
新古典派経済学の仮定の利益最大化、効用最大化も、機会主義という仮定に変わる!
機会主義とは、機会があれば人間は利己的な利益を追求する!
現在は「経営人仮設」の元に研究が進められる!
⑴ すべての人間は限定合理的である
⑵ すべての人間は狡猾に利己的な利益を追求する
◇ 現実社会を的確に説明する「取引コスト理論」
「取引コスト」
限定合理的で機会主義的だとすると、相互に騙されまいとする!
相互に駆け引きが起こる! 騙されまいとし、録音する人間もいる?
この取引上の無駄を「取引コスト」と言う!!
「見えるコスト」ではなく「見えないコスト」であるが、
比較的簡単に認識し、忖度する!
この「取引コスト」を節約するように合理的に行動する!
3 解明される「黒い空気」発生のメカニズム
合理的成功!
非合理的な失敗
が第三の現象 合理的に失敗する!
「不条理」現象を存在が説明出来る………
この不条理が「黒い空気」を生み出す!!
◇ 取引コストと「不条理」現象
不条理??
⑴ 全体非効率であっても個別効率性だけを追求して合理的に失敗する
⑵ 倫理的に不正であっても経済効率性だけを追求して合理的に失敗する
VUCA(ブーカ ) 現代は変動的で、不確実で、複雑で、曖昧な世界!
Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)
◆ 条理な世界! 効率的で正しい方向に変革される!
効率的で正しい状態に変化することで得られるメリット 〉 取引に必要な取引コスト
◆ 不条理な世界! 効率的で不正な現状を維持・隠蔽する!
効率的で正しい状態に変化することで得られるメリット 〉 取引に必要な取引コスト
要は取引コストの方が大きくなり、現状が非効率であっても現状を維持、隠蔽する!
人間関係上の取引コストを忖度すると、損得勘定上、
合理的非効率、合理的不正な状態を選択し、合理的に失敗する!
頭が良く優秀なリーダーほど取引コストを幅広く認識できるので、
合理的に不正を維持隠ぺいしたりする不条理に陥りやすい!!
◇ やましき沈黙としての「黒い空気」
合理的に不正を維持隠ぺいしたりするのは、
たいがい反社会的なものなので、個人は公言することが出来ない!
与えられた状況を分析し、損得計算し、
非効率、不正な状態を選択し、良心の「やましき沈黙」
「黒い空気」が発生する!!
これはやってはいけないことだと思いつつ流されるとき、
「黒い空気」が発生し「やましき沈黙」が起こる!
日本人の人間関係では、取引コストは高くなる!!
損得計算は大帝メンバー間で一致する!
相互主観的と言う意味ではその選択は客観的なものである!
さらに誰も責任を負わない!!
「あの時の状況ではああせざる得なかった」
「あの時の状況下ではみなああした」
指導者は無責任となり「黒い空気」に支配おされて合理的に失敗する!
◇ 空気、客観性、そして無責任
組織の外にいる人は人間関係の取引コストを認識できない!
組織内の人間はそれを認識できる!
頭のよいリーダーほど多様な取引コストを認識出来るので、
「黒い空気」に支配されやすい!
非効率で不正な状態を選択することは、やましいことだが、
その選択は合理的で客観的である?
その原因は常に与えられた状態なので、責任を取る必要は無い!
日本は階級社会で無いので、人の上に立つことの意味を理解していないと!
成績が良ければ昇進するので、損得計算の早い打算的な指導者が増える!
その正当化の方法は、相互主観性としての客観性で、
そのため全会一致原理を採用する!
日本的な空気の発生になる?
全会一致を求めるために妥協が横行し、
組織が堕落し、指導者が独裁的になると、
コンセンサスを得やすい人だけを集め、
手段と目的が転倒し、日本の組織は、
「黒い空気」に支配され、暴走し、堕落し、合理的に失敗すると!!
4 かくて人間の合理性が失敗をもたらす
戦史における意思決定が、いずれも経済的合理的であったものだと整理する!
◇ 日米開戦をめぐる「黒い空気」
日米開戦は、日本全体にとっては非効率だが、
陸海軍は個別合理的だった!
陸海軍は不条理な「黒い空気」に支配されて合理的に失敗する!
陸軍は? 撤退は不可能だった?
・撤退となれば明治以来の大陸政策が否定される………
・日露戦争以降の満州国、南満州鉄道、旅順、大連を失う!
・企画院総裁 鈴木貞一 「靖国神社に行くたびに満州は棄てられない」
・東條英機 手ぶらで帰れない?
・これまでの投資が「埋没コスト」になる!
・将来の機会損失を失う!
・陸軍のテロ事件が将来起こりかねない!
・国民を説得するコストが大きい!
・不条理な「黒い空気」に支配される………
海軍は?
・石油が輸入出来なければ自滅になる!
・石油の備蓄は1年分??
・陸軍を説得するコストは余りに大きい! 無限に近い??
・対米七割五分の戦備は確保出来ていた?
・「水師準備」 平時から戦時へ移行に160日かかる!
・臨戦態勢を維持するには膨大なコストがかかる!
・1941年4月にはある程度用意出来ていた! 膨大な埋没コストになる!
・有利な方向で講和出来ることもゼロではない!
・それが海軍にとって合理的だったと!!
各大臣も説得の取引コストが高すぎたと!!
かくて見えない取引コストの存在を意識し、損得計算し、
勝つ見込みがない、非効率な戦争を選んだ!!
合理的に失敗したと!
やましき沈黙「黒い空気」が漂っていた………
【付け加えると、ドイツの勝利も計算に入っていた】
◇ 義烈空挺隊の特攻をめぐる「黒い空気」
この部隊は優遇されている!
たいがい空挺部隊は精鋭である!!
この部隊を降下的に使うために、温存、時機を逸していた!
大戦末期の連合軍のマーケット・ガーデン作戦!
これは失敗した大作戦であるが、使いたがったようだ!
無理して使った??
日本は合理的に考えていた!
サイパン島、硫黄島への投入は諦めた!
強制収容所のユダヤ人は不安である!
・いつ解放されるのか?
・いつ処刑されるのか?
何も分からない! これが不安だったと!!
「義烈空挺隊」も不安であり、自虐的に「愚劣食放題」と自称する!
この隊員を説得するコストはあまりにも高い!
現場の指揮官にとっては、非効率で効果が無くとも攻撃するのが合理的になる!
大本営の将軍も現地に来てそれが分かり、
合理的に作戦を行わなかったのが、合理的に実行する!
「黒い空気」に汚染されて、理解した??
◇ 戦艦大和特攻をめぐる「黒い空気」
人間関係の取引コスト?
・大和特攻に対し反対すると「卑怯者、情ない」
こういう連中が開戦を煽った?
これを説得するコストは高い!
説得できても言い逃れと言われる!!
・天皇に全艦隊で攻撃と明言している!
これを覆すコストは天文学的数字か??
・陸軍から無能と言われる!!
・戦利品で見せ物になる?
【自沈もあるが………】
損得計算すれば、
・無意味
・統帥の外道の作戦
と言われても、特攻が合理的になる!
海軍はやましき沈黙、不条理な「黒い空気」支配され、合理的に失敗する!
山本七平の日本人固有のアニミズム信仰による非合理な空気ではない!
何かが存在し、知らず知らずその影響を受ける状態ではなく、
人間関係の取引コストを認識し、損得計算で合理的に失敗したと!!!
5 「黒い空気」は今も日本の組織に潜んでいる
現代企業の「黒い空気」支配を事例を取り上げる!!
◇ 神戸製鋼所の失敗と「黒い空気」
・2017年10月18日 神戸製鋼所の検査データが改竄されていた!
航空機、自動車、鉄道に多く使われていた!
当時中国、韓国と追い上げられている!
高品質、低価格、納期の短縮を求められる!
日本とアメリカは違う!
アメリカは企業間取引は市場原理に基ずく!
無理な要求には価格が上がる!
日本の場合は、密接な企業関係による!
出来ないとなれば面倒になり、取引コストは高くなる!
「トクサイ」 特別採用!
契約内容と多少異なっていても、部材として採用する!
顧客は部品の納入が遅れれば生産工程がストップする?
そのため神戸製鋼所は、納入先の納入の了解も得ず、
数値を改竄する!
人間関係の取引コストを節約するために、不正と知りつつ合理的行動を行う!
「黒い空気」に支配されていると!!
現場で指示もなく、合理的に行われた??
その後、ルーティン化される………
その後は、前から実行されてきていたものだと………
不正は合理的に継続される!
変更するための「取引コスト」は高い!
東洋ゴムの免震ゴムの性能データ改ざんも同様か??
◇ シャープの失敗と「黒い空気」
「選択と集中」 液晶技術である!
世界を席巻した!
亀山市に4000億円、堺市に4300億円投資する!
がその優位性は崩れる!
韓国、中国、台湾に追い上げられる!
大規模な改革ではなく、コスト削減で対処する!
液晶ビジネスにかかわる人を説得しなければならない!
膨大な経費がかかる! 自己否定するコストは高い!
そうなれば、時間稼ぎする!
・液晶ビジネスを維持する
・希望退職
・賃上げ抑制
経営陣は抜本的な改革を行わず、人員削減、本社ビル売却に走る………
自力で立ち直れない!!
不条理な「黒い空気」に支配される!
大改革のもたらす膨大な取引コストを考慮すれば、
大改革より、非効率な現状を維持し、
逐次的にコスト削減を続ける方が合理的だったと!!
◇ レナウンの失敗と「黒い空気」
名門レナウンである!!
レナウンは百貨店やショッピングセンターで販路を開く!
イ^ジー、イージーオーダーが主流の時代にである!
この時期、百貨店、量販店、洋品店まで販路を拡大させる!
その為、90年代、250億円かけて物流基地を造る!
が90年代半ばインターネットで販売する! Eコマースが始まっている!
要は改革できずに、合理的に旧来の方法に合理的に固執し、
不条理な「黒い空気」に支配されていた!
コロナ禍で百貨店の休業、閉店が続き経営破綻になった!!
著者は、
日本人固有の密な人間関係のなかで発生する取引コストを忖度し、
そのコストを含め合理的に行われる損得計算が失敗の原因になっていると!!
6 最新経済学による理論的解決策とその限界
「黒い空気」支配の回避と、清浄化を明らかにするために、
「取引コスト理論」を応用する!!
◇ 組織における「黒い空気」清浄化の事例
防衛大学校の教官時代の話である!
朝8時と夕方5時に「君が代」が流れる!!
一旦動作を止めて、国旗に向かい君が代を聞く!
ある時、議論は白熱し午後5時まで続き、君が代が聞けない??
議論は5時前に済む!!
終わらないのでいやな「黒い空気」が発生する!
と言うより、参加者全員が損得勘定し、5時前に終了する!
この時の空気は、実に透明で清々しいものだったと!
取引コストを節約するように議論を組織的に収束させたと!
良い空気の例である?
◇ 企業改革にみる「黒い空気」清浄化の事例
日産自動車である!!
・1998年 二兆円の有利子負債を抱える!
この企業の大改革は、著者の本を読んでいたら無理だと分かる!
現状に留まる方が、合理的と言う不条理な「黒い空気」に支配されていた?
が、ルノーと提携し、カルロス・ゴーンが送り込まれる!
日本的なしがらみが無かった!
取引コストを負担しなくてよい!
数字が全てで、25,000人の社員を解雇する!
大改革を実行できた!!
YKKの改革は、機械の製造を変えるが、文系の担当者が行う!
技術者は直談判するが改革に進む!
自分が文系出身が有利に働く!!
この例から、大改革には、
社外役員、女性役員、外国人役員も必要である!
ただし大改革が必要な時である!!
平時は逆効果であると!
裁判員制度!
これも素人に法律上の知識を理解してもらうのに時間がかかり過ぎると!
逆に非効率になる?
企業改革では、組織内のメンバーだけで改革すると、派閥抗争が起こる?
これも外部のコンサルティング・フォームを利用し、
取引コストを軽減させることになる!
様々な方法があり、不条理に陥ることなく、「黒い空気」の支配を回避できる!
◇ 「言えない化」と「言える化」と言う組織文化
カルロス・ゴーンは社内コミュニケーションの改革も行っている!
・大型モニターで、経営方針や決算などを知らせる!
・企業のデジタル化
・オープンで自己批判的な「言える化」文化を形成する!
・個々人が全体を考えて、全体の取引コストが最少となるように行動する!
・愛社精神やエンゲージメントが必要だと!
・飲み会の開催 個人差はあるが………
【ドイツ参謀本部 教育などの後の飲み会が親睦に最も効果があったと】
やりようによっては逆効果になる恐れがある!!
◇ 経済合理的なマネジメントにある限界
「取引コスト」を節約するような制度・政策はある程度効果をもたらす!
(ただしこれにもコストはかかる)
がそれだけで不条理な「黒い空気」支配を回避し、空気を浄化することは出来ない!
原子力発電所の建設!!
・安全のための制度、設備
・住民の安全性
安全性を高めるためには、設備投資にコストがかかる!
・経済合理性と安全性は一致しない!
・経済合理性を追求すれば、安全性に不適切なマネジメントになり、
電力会社は不条理な「黒い空気」に支配される!
・住民に対して賄賂があれば、住民との取引コストは下がる!
が、賄賂は設備費などに上乗せされる!
その場合、安全性が無視されると!!
経済合理的なマネジメントを展開すると、
一見すべてが上手く行っているように見えるが、
合理的な不正と言う不条理な「黒い空気」に支配される!
経済合理的な方法により、完全に「黒い空気」支配を回避し、
空気を清浄化して透明にすることは出来ないと!!!
第2章 「不条理」への経営学的挑戦
ダイナミック・ケイパビリティ論とドラッカー経営論の援用
「ダイナミック・ケイパビリティ」
コスト節約だけでなく、ポジティブなマネジメントも
「黒い空気」の清浄化には必要であるが、
そのようなプラスの側面を高める組織能力やリーダーの能力!
これを解説し、その上で経営学によって
「黒い空気」がどのように清浄化出来るのかを明らかにする!
P・Fドラッカーのマネジメント論の効用についても紹介する!!
1 ダイナミック・ケイパビリティ論による理論的解決とその可能性
ダイナミック・ケイパビリティ論を説明する!
どうやって「黒い空気」支配を回避し空気を説明するするのか?
◇ ダイナミック・ケイパビリティ論の登場までの歴史
◆ M・ポーター 競争戦略論!
あらゆる戦略行動は、業界状況による?
が、そうなれば、同じ業界内で成功している企業の戦略は同じになる??
実際はそうではなく、異なる戦略行動がある!
◆ 1980年代 資源ベース論!
そうではなく、企業自身が持つ固有の資源に基づく!
人的、財務的、有形・無形資源………
価値を持ち、希少で、模倣不可能、代替可能でない特徴を持つ時、
固有の資源は競争優位の基礎となる!
◆ 1990年代
資源ベース論は、コア・コンピタンス、ケイパビリティと表現される!
最近では、ケイパビリティと言う用語が一般化している!
これでも説明出来ない!
どうすれば企業は持続的に競争優位を保てるのか?
◆ D・J・ティース! ダイナミック・ケイパビリティ論!
変化が常態化している現在は?
矛盾、パラドックス、コンフリクト、緊張が発生する!
これを解決する企業の変革能力を言う!
変化する技術、市場に反応し、
資源ベースを再構築、再配置、再利用する模倣不可能な能力を言う!
◆ ケイパビリティは2種類ある!
・オーディナリー・ケイパビリティ 通常能力
技能適合力 オペレーション、管理、ガバナンスなど業務のコストを削減する!
・ダイナミック・ケイパビリティ 変革能力
進化適合力 環境の変化を感知、機会を捕捉し自己変容し、環境に適合する!
オーディナリー・ケイパビリティによってコストを削減し、
企業の利益を最大化するのには限界があると!
ダイナミック・ケイパビリティにより新しいビジネスモデルを構築する!
結論は??
オーディナリー・ケイパビリティが追及する利益!
・外部調達費
・人件費
・減価償却費
・利益
これが売り上げになる!
ダイナミック・ケイパビリティでは、
外部調達費を差し引く! それは下請け事業が生み出したものである!
生産性や付加価値を高めるには、人件費や減価償却費を削減して、
効率性を追求しても意味が無いと!
環境の変化に適合する新しいビジネスモデルの元に、
利益を使ってでも、優れた人材を雇い、より良い機械設備を購入する事と!!
◇ ダイナミック・ケイパビリティ論をベースとした企業の持続的成長
環境は常に変化していく!
それを無視してオーディナリー・ケイパビリティの元に、
企業内部の業務だけ効率化すれば、内部効率性は高まる!
が環境とのずれは大きくなり、最終的には淘汰されると!
ここで企業はダイナミック・ケイパビリティのもとに、
環境とのずれを感知し、既存の資産や技術を再構築、再配置して、
環境とのずれを無くすように自己変革し変容する!
新しいビジネスモデルを構築し、オーディナリー・ケイパビリティにより、
業務の効率化を進め、発展していき、これをくり返し持続的に成長する!!
◇ ダイナミック・ケイパビリティ論による新規事業構築と「黒い空気」
が、ビジネスモデルの変更は、既得権益者の激しい抵抗がある!
既存のままに留まる方が合理的と言う不条理な「黒い空気」に支配される!
がそのままでは多大な機会(機会損失、逸失利益)が発生すると!
要は変革のコストより大きなメリットを生み出す方にすれば、
不条理な「黒い空気」を回避し、空気は清浄化される!
◆ 共特化の経済性
2つ以上のものを統合することによって得られるメリット!
具体例がある! 変化を察して開発する!!
・ロート製薬 目薬メーカーであり危機感がある!
が化粧品業界への参入が容易になる!
肌に即効の「ピュアビタミンC」を開発、
美容液「オバジCセラム」を発売!
これを薬品のように売る!
・シャープ コロナ対策のマスク!
無菌室の技術を利用して、コロナ対策用のマスクを製造!
液晶の技術を利用して、ワクチンの保存用の畜冷材を開発!
◆ マクロの共特化
ダイナミック・ケイパビリティの新しいビジネスモデルと、
既存のビジネスモデルとの関係が、個の総和以上に全体を変革、変容する!
オーケストレーションすることだと!
・コダック 共食い?
デジカメと既存のフィルム技術は相反する!
共食い化に対して、投資家は成熟、衰退ビジネスのコングロマリット企業に投資するか、
複数の個別企業に分散投資するか?
どちらに投資するか? 一般には後者と言う!
そのため、コングロマリット企業価値は相対的に低下する!
これを「コングロマリット・ディスカウント」と言う!
その為多くの投資家は、東芝の三分化を要求する!
「コングロマリット・ディスカウント」を回避するためには?
・事業ポートフォリオを絶えず刷新する!
・個の総和以上の全体性を生み出すように再構成、再構築する必要がある!
事例が並ぶ!!
・1995年 電気事業法改正で、電気販売の自由化になる!
従来から発電の技術があり、石炭発電を行う!
既存の資産をに再構成、再構築、再利用する例である!!
企業外部との結合を通して自己変革することで、
非効率な現状に留まるという不条理な「黒い空気」の発生を回避できる!
・「ビックロ」 ビックカメラとユニクロ!
外国人に特化する??
・駅のキオスクではないコンビニ設置!
・花王とライオンの流通の共用化?
花王は関東に製造工場があり、四国に物流センターがある!
ライオンは四国に製造工場があり、関東に物流センターがある!
どちらも帰りは空気を運んでいる!
物流の往復が可能になりマクロ的共特化の経済性が実現している!
・VHS VS ベータの争い!
VHS 日本ビクターは技術を公開し、パナソニックが付いた!
ベータ ソニーは特許を元に独占化を展開??
ビクターの勝因は?
マクロ的共特化の経済性を生み出すビジネス・エコシステムの形成である!
・ソニー VS 任天堂
プレイステーションでのソニーの勝利!
ソニーはみんなで益を得る戦略を展開した!
マクロ的共特化の原理で勝利した!
ダイナミック・ケイパビリティに基づいて、
企業が環境の変化を察知し、新しい機会を捉え、
企業全体を再構築することによって、
そのコストより大きなメリットを生み出せる!
不条理な「黒い空気」に支配されることなく、合理的に成功を得れる!
2 ドラッカー理論と「黒い空気」支配からの回避
ダイナミック・ケイパビリティに「ミクロ・マクロの共特化の経済性」を生み出し、
既存の資産・資源を再構築、再配置、再利用する必要がある!
個の総和以上のゲシュタルト(全体性)を生み出すことである!
これを「オーケストレーション」と呼ぶ!
ドラッカー理論を用いて、オーケストレーションを具体的に解説する!
◇ オーケストレーションかゲシュタルト崩壊か
「共特化の経済性」は単純なものでは無い!!
オーケストラの指揮者のように、既存の資産をオーケストレーションする!
資産を確認し、不足を調整し、一つの方向に整える!
ドラッカーの主張になると!
オーケストレーションとはオーケストラの指揮者と専門の演奏家のことである!
演奏技術の向上ではなく、独特のビジョンやコンセプトのもとにまとめる!
デカルト的には部分の総体が全体であり、全体は部分に還元できる!
ゲシュタルト心理学では
個の総和とは異なる全体性 ゲシュタルト(形相)が存在すると!
ここからはわかり難いが………
全体に個々が依存しており、全体の中に個々が位置づけられ、
個々の価値や存在意義がより高まることを意味する!
事例である!
・PCだけでなく、バッグも買いませんか? 結構です 否定!
・この宿泊プランで、よろしいですか? 結構です 肯定!
結構ですは、全体の文脈の中で決まる!
部分が全体の中で位置づけられると、部分の価値が高まる!
・著者は大学教授としては価値は無いが、
慶應大学の教授となると存在価値は高まる!
・会社員としては大したものでは無いが、日本銀行の一員であるなら………
ゲシュタルトを形成し、その中に部分としての事業を位置づけるのが、
企業のリーダーの役割だと!
なので、経営陣は個々の特殊な資産を特殊化する事ではなく、
ゲシュタルト(全体性)としての特殊なヴィジョン、理念、戦略、パーパスなどを掲示し、
その中に部分を位置づけて、より大きな価値をを引き出すことである!
これに成功しなければ、全体が部分に分解する!
この部分より大きな全体としてのゲシュタルトを本当の構築できるのか?
「暗黙知」があるので可能だと!
人間の脳は、不十分な情報だけでも、一貫性のある全体へと組織化し、
体系化する能力があると???
◇ ドラッカーがイメージしたイノベーションとトランスフォーメーション
ドラッカーは?
既知の知識の総和が全体になるのではなく、
既知の知識の総合が全体になるのではない!
未知の知識をも含む全体が、「ゲシュタルト」であり、
それを生み出すことがオーケストレーションであると!
この例としてドラッカーは、元素の周期表を出す!
D・I・メンデレーエフである!
既知の63の元素の新しいことを発見もせずに、
元素を発見したわけでもない!
既知の元素を再構築、再配置し、表を構築しただけである??
がこの表の空欄、未発見の29の元素の質量と性格を明らかにした!
部分の総和より大きな全体像を生み出したと!
単なる部分より大きな全体を生み出すことを、
「ゲシュタルト・トランスフォーメーション」
「ゲシュタルト・イノベーション」と呼べると!!
ダイナミック・ケイパビリティによる変化・変革によって、
発生するコストよりも大きなメリメっとを生み出せれば、
組織は不条理な「黒い空気」に支配されることなく、持続的に成長できるだろう………
◇ オーケストレーションによる共特化の具体例
ダイナミック・ケイパビリティによるオーケストレーションの事例!
◆ TPP協定 オリックス 金融サービス企業
・国内畜産の大型化により、家畜が感染症にかかるリスクが高まる!
・オリックスは医療関連の事業に知識がある!
・2016年 動物用ワクチン会社を買収
・同じく動物向けの衣料品製造、販売のフジタ製薬を買収
動物薬企業グループという全体像があり、その空白を埋めて、
共特化の経済性を生み出そうとした!
持続的に成長可能な企業である!
◆ ソニーのトランジスターラジオ
一家に高価なラジオがあるかどうかに時代に、一人が持てる小型ラジオを持たせる?
井深大はテープレコーダーを開発成功していたがアメリカでトランジスターに出会う!
補聴器などにトランジスターを使っていたが、小型ラジオがターゲットである!
社内の人材にも伝えられていて、取引コストは低い!
井深大のダイナミック・ケイパビリティによる既存の技術が、
オーケストレーションされ、トランジスターラジオが開発される……
そにーの以後の持続的成長を可能にしたと!!!
◆ 慶應義塾大学の「マクロ的共特化の経済性」
東京歯科大学と合併を発表する!
早稲田大学は将来、医学部を新設する計画を公言する!
もともと慶應大学は、医学部と看護学部があり、共立薬科大学を吸収、
元素票の穴を埋める!
その一つが、東京歯科大学である!!
良好は密接な関係があり、取引コストは小さい??
部分の総和以上の全体像を形成しようとする!
残る空白は、獣医学部である!
3 経済学および経営学によるアプローチの限界
損得計算の結果をプラスにする必要があり、
ダイナミック・ケイパビリティ論の具現と言う効用を見いだせた!!
この経済合理的なマネジメントを導入すれば「黒い空気」を清浄化できるのか?
◇ 再び、経済合理的なマネジメントの限界について
その方法は?
・様々な制度やシステムを構築することにより「取引コスト」を節約する!
・ダイナミック・ケイパビリティにより、組織変革!
ダイナミック・ケイパビリティの具象化により、
組織を覆う不条理な「黒い空気」に支配を回避でき、空気を清浄化できる可能性があるが、
限界がある………
◇ 取引コストと心理的な制約
「取引コスト」を節約するにも多大なコストが発生する!
ダイナミック・ケイパビリティにもとづく自己変革も多大なコストが発生すると!!
人間は得られるメリットよりも失うデメリットを過大評価していると!
リーダーが損得計算原理に従い変革する場合、マイナスになる可能性が高く、
ダイナミック・ケイパビリティにもとづく組織変化や変革も自制される可能性が高い!!
◇ 取引コストと時間的な制約
環境が変化しても、任期の短い経営者は、
変革が生み出すベネフィットよりもそのコストの方が大きく感じると!
何もしない方が合理的と何もしない可能性がある!
「退任後、組織改革して欲しい」
非効率で不正な状態でも、何もしない非効率で不正な状態を維持し、
不条理な「黒い空気」に支配され、合理的に失敗する!
著者の防衛大学校時代の話!
社会科学教室には二つの学科が存在している!
・国際関係学科
・管理学科
人気が無く「組織化学学科」に変更する!
が、この名付け親の長老が反対する!!
自分達が退職後に変えて欲しいと!!
損得計算にもとづく経済合理的なマネジメントを展開すれば、
利益は高まり上手くいくと思われるが、そうはならない!
リーダーが損得計算に従い経済合理性を追求する限り、
日本では人間関係上の「取引コスト」が発生しやすく、
コストは高く感じる!
変革が必要であっても、何もしない方が合理的と言う不条理に陥りやすくなる!
組織は合理的に硬直化し、不条理な「黒い空気」に支配され、
最終的に失敗する!!
失敗の本質は、経済合理的な損得計算原理にあると!!
指導者(リーダー)の不条理 組織に潜む「黒い空気」の正体 ①・菊澤研宗
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