本・日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに ①(2021/11)・大木毅
亡国の同盟は、不信と誤認の産物だった!
優秀な人びとを抱えながらも、なぜ日本は亡国の戦争に突入したのか?
亡国への分水嶺となった三国同盟は、そもそも不信と誤認の産物でしかなかった??
〇外国を崇拝し、その国の人間になってしまったかのような言動をなすもの!
〇国家が崩壊することなどないとたかをくくり、おのが立場の維持をはかるもの!
〇自らの構想の雄大さを誇るばかりで、足下を見ず、他者をまきこんで破滅していくもの!
利害得失を充分に計算することなく独と結び、
米英と争うに至るまでを、対独関係を軸に分析すると、
日本の指導者の根底には「根拠なき確信」があり、
それゆえの無責任な決定がみちびかれた様が浮き彫りとなる!!
「根拠のない確信」が災禍を拡大した。
■最初は冷淡だったドイツ ■墨の色を濃くする大島
■走り出したバスに飛び乗った面々 ■海相吉田善吾の苦悩
■我を通し続けた松岡
『亡国の本質 日本はなぜ敗戦必至の戦争に突入したのか?』を改題の上、
この間の研究の進展を反映し、全面的に加筆・修正したものです!
突き詰めれば、大島浩、松岡洋右、白鳥敏夫に尽きる!!
松岡洋右、白鳥敏夫は靖国神社に祀られている!
おかしいが………
亡国に導いた人間たちの一部である!!
大島浩は、戦争中の日本への電報は重要だった!
暗号が解読されているかも知れないとある!
これにアメリカは息を呑んだ?
大島浩はナチスドイツの幹部とじかに話できる!
この情報は重要だったようだ!!
暗号を変えられたらまた解読に時間がかかる!!
日本は解読されていないと判断し、アメリカをほっとさせる!!
大島浩は戦争に突き進み、戦時中も連合軍に意識はしていないが、
情報を流していたことになる!!
潔さを感じないが………
内容は下記の通りである!! ① ②と分けて紹介する!!
①
序に代えて わたしに似たひとびと
第一章 ヒトラーに「愛された」日本大使
第二章 同盟のため奮闘せるも……
②
第三章 バスに乗ってしまった男たち
第四章 独ソに翻弄される松岡外交
第五章 亡国の戦争へ
あとがき
主要参考文献
序に代えて わたしに似たひとびと
〇 なぜ、優秀なひとびとを抱えながら亡国の戦争に突入したのか?
著者は戦後、当事者にインタビューしている!
保阪正康がインタビューをした人間について書いている!
① 全く平気でうそを言う!
② 本人も戦後のあちこちからの情報で分からなくなっている!
③ はっきりここまでは間違いない! が情報多寡で自分も分からなくなっている??
頭脳明晰な優秀な投資者たちが何故間違ったのか??
亡国の敗戦必至の戦争に突入したのか?
〇 論性無き政策決定
当事者が矮小な動機で動いたために政策決定を混乱に陥れた例は多い!
ヨーロッパでは論理を明確に打ち出し、責任の所在を明らかにしていると!
たとえ誤っていてもである!!
ナチス・ドイツと日本の政策決定過程の違いは論理性にある??
日本の場合は余計に分かり難くなる…………
〇 「根拠のない確信」という病理
根拠なき確信???
◆ 皇国の存亡
◆ 国運の不沈
◆ 大日本テイクが滅びるなどあり得ない
◆ 国益より自ら所属する団体の利益
◆ おのが功名心を優先
現在では??
◆ 日本経済の繁栄は永遠に続く
◆ 地価は右肩上がり
◆ 税金を浪費する役人
大日本帝国は不滅と信じ亡国の戦争に突入した戦前の指導者たち!
将来は安泰と信じてやまぬ現在の官僚たち!
歴史が分かっている人間は、後知恵による評価がある!
著者は、自戒の意味を込めて、亡国の物語を書く!
ドイツとの関係を中心に置く…………
◆ 外国を崇拝し、その国の人間になったような言動を行うもの
◆ 国家が崩壊することなどないと、おのが権力の維持を図る
◆ 自らの抗争の雄大さを誇るばかりで、足下を見ず、
他者を巻き込んで破滅していくもの
読めば分かるが、思った通りに、
松岡洋右、大島浩、白鳥敏夫らの名前がある!!
東條英機、板垣征四郎…………
第一章 ヒトラーに「愛された」日本大使
〇 「マイクリーゼ五月危機」と日本
ヒトラーの憂鬱がある??
◆ 1935年 再軍備
◆ 1936年 ラインラント進駐
◆ 1938年 オーストリア併合
◆ 1938年5月 チェコスロヴァキアで挫折する!!
チェコスロヴァキアのズデーテンのドイツ系人民の保護である!!
ここで挫折する!
英仏が警告し、ソ連が援助すると??
実際は出来るかどうかは分からない??
ソ連もチェコスロヴァキアとの間にポーランドがある!
英仏はどうやって援助するのか??
が、ヒトラーは挫折する!
が、すぐに武力侵攻を決める!
そのさいに日本の存在が重要になる!!
東南アジアの英仏の植民地を日本に攻撃させる?
チェコスロヴァキアと東南アジの植民地とどちらが大切か???
日本側で重要なのは、大島浩! 駐独ドイツ大使とも揶揄されていた??
ヨーロッパはドイツ、東南アジアは日本と?
世界大戦の構図が出来ている…………
〇 ドイツへの傾斜
大島浩の経歴が書かれている!!
美濃岩村出身?
岩村城は有名である??
武田信玄の家臣、秋山信友である!
織田信長のおばが城主であった!!
父親、健一は山県有朋に気に入られる!
ドイツ贔屓で、息子に影響を与えた!
日本陸軍発足時、普仏戦争の勝者、ドイツ式に参謀からメッケル参謀を招集する!
健一はドイツに留学する!
息子にはドイツ語教育を徹底した!
一つの国に長いと、その国の人間に課した如くになる???
外務省の、チャイナスクール、アメリカスクールなどか???
大島浩もそのようである!
徹底してドイツ語を学ばされる?
第一次世界大戦に従軍している!
と言っても山東半島である!!
大島浩の経歴である!!
1934年 駐ドイツ大使館付武官昇進
1935年 ナチス党外交部長リッベントロップと初会談(二元外交始まる)
1936年 日独防共協定調印
1938年 予備役編入 駐ドイツ大使に任命 日独防共協定に奔走
1939年 ヒトラー、独ソ不可侵条約を締結
日本は日独防共協定違反として日独同盟交渉中断を閣議決定
ドイツの日独防共協定違反に平沼内閣総辞職
大島浩は帰朝を命ぜられ大使依願免職
1940年 大島浩の後任、来栖三郎駐ドイツ大使に任命
日独伊三国同盟調印 駐ドイツ大使に再任命
1941年 松岡洋右外務大臣ベルリン訪問、松岡・ヒトラー会談に同席
ドイツ軍ソ連に侵攻(バルバロッサ作戦)
1948年 極東国際軍事裁判でA級戦犯として終身刑、後に釈放
1975年 死去 89歳没
責任は重い!!
〇 芽生えた日独同盟論
「ビュルケの密約」
フィンランドで、ロシア皇帝ニコライ二世と、
ドイツ皇帝ヴィルヘルム二世の会談!
日露戦争中である! ドイツはロシアに兵を向けない保証を与えた!
大島浩は、これによりヨーロッパの兵を極東に回せたので日本は苦戦したと!!
これは誤解のようだ! が大島浩は信じる!!
ドイツに傾斜する!!
軍人として順調に出世する!
明治以来、親独傾向を持つ陸軍である!
外交官も警戒している!
ドイツ的な日本人が出てくることを…………
これは的中する! ドイツ人のような日本軍人、大島浩を送り込む!!
〇 最初は冷淡だったドイツ
当時、ドイツは親華派が多い!!
日本より中国重視である!
外務省、国防省である!!
大島浩はやり手である!!
国防軍にナチス幹部を招く!!
「口先が上手く、人当たりが良いけれど捉えどころがない、
恐ろしくに抜け目が無く、頭も良く、多彩である、
日本のイデオロギーとナチスとは似ている、と繰り返した」
招いた客の好みを覚えていて、出身地のワインを出したりする!
保阪正康が書いていたが、ドイツの童謡を歌う???
これで相手を篭絡する!!
ドイツ外務省は不満がある!!
◆ 日本が第一次世界大戦で火事場的な泥棒をやったと思っている!
◆ 戦前あらゆる面で好意を示したのに、裏切られた
◆ 日本は軍備拡大と見境のない貿易競争で国際的に孤立している?
日本と共同歩調をとればドイツも同じと見なされる?
国防軍も中国に軍事顧問団を派遣している!
貿易相手としても最適である!!
兵器をはじめとする工業輸出に最適で、今でいうれたメタルなどを代金として貰える!
ドイツの中国に対する輸出は、57.5%である!
日本とむすんでも何の益にもならない!
冷ややかにみられる………
〇 二人の異端者
が、どちらにも異端児はいる!
大島浩に、リッベントロップである!!
もう一人、カナ―リス提督がいる!!
カナリス提督! 敵か味方か???
行動が謎である………
不幸にも、どちらもプロの外交官ではない!!
なので発想が自由である!!
ドイツも権力争いが激しい!!
貴族の称号を得る!!
社交的で社交界で活躍する!
第一次世界大戦後、ヒトラーに魅せられる………
1933年 ヒトラーの首相就任の、ナチスと保守派諸政党の連立交渉は、
リッベントロップの別宅で行われる!!
ここまでやったのだから報酬を求める???
外務次官であるが、副首相パーペンは拒否!
が、ヒトラーは褒美を与える??
「軍縮問題全権代表」
自らのスタッフと独自の行動をとる?
外務官僚と対立する!!
実績を上げなければならない!!
日本に目をつける!!
◆ ヨアヒム・フォン・リッベントロップ
1893年4月30日~1946年10月16日! 絞首刑!
◆ ヴィルヘルム・フランツ・カナリス
1887年1月1日~1945年4月9日
ドイツ海軍の軍人、国防軍情報部の部長、最終階級は海軍大将!
ナチス党政権下におけるドイツ国の軍事諜報機関のトップとして、
アドルフ・ヒトラーを補佐する一方で、
ヒトラー暗殺計画を含めた反ナチス運動に関与していたことが発覚し処刑される!
どちらも反共主義者である!
カナリスは、日本に来た事があり、高く評価している!
日本海軍に技術援助して、力をつけさせて、英仏の力をアジアに向けさせる??
ハンガリー、エストニア、フィンランドのソ連と国境を接する国、
それらと対ソ連情報包囲網をつくる!!
それは日本陸軍も考えている!!
◆ 大島浩 「ビョルケに密約」の再来を恐れ、同盟国ドイツの獲得
◆ リッベントロップ 対日政策で手柄を立てて、ナチス内部の政敵を出し抜く
◆ カナリス 日本を組み込んだ対ソ情報包囲網形成を図る
3人の思惑が一致する!!!
〇 武器商人ハック
◆ フリードリヒ・ヴィルヘルム・ハック
1887年10月7日~1949年6月4日 フライブルグで生まれる!
ドイツのブローカー・政治工作者
1920年代から1930年代にかけて大日本帝国海軍にドイツ航空機の売り込みを行い、
その関係を利用して日独防共協定のきっかけを作った!
また、1941年の真珠湾攻撃の直後から日米間の終戦工作を行った!
第一次世界大戦で捕虜になる!
その日本との人脈を生かし、貿易、特に兵器の輸出を行う!
ハインケルの対日代表である!
1935年 ハックはロンドンに行き、山本五十六をベルリンに招き、ヒトラーと会わせたい!
日独ポーランドで、対ソ同盟を結ぶ?? 日本の反応は??
結局流れる…………
が、次に日独防共協定の仲介役をする!!
これは色々な説がある!!
がハックのメモ書きが見つかっている!
大島浩がリッベントロップにハックを通じて持ちかける!
大島浩の独走、暴走である!
本人の証言ほど当てにならないものはない!
大島浩も証言を変えている??
が、ナチス内部の情報をつかみ、対立をしる!
それを利用している?
大島浩はハックを通して、外務省、国防軍を飛ばして協力者を手に入れる??
リッベントロップとカナリスである!!!
〇 「国際的にいかに受け取られるのか、私にもはっきりしない」
同盟案は問題がある!!
参戦義務である!! これをどうするか???
大島浩とハックの案!
◇ 保証協定 一方の国がソ連と戦争になったら、他方はソ連と協定を結ばない!
◇ 自動参戦義務 どちらかが戦争になれば一方は参戦する!
◇ 攻守同盟 いずれかの国が攻撃した場合においても、参戦を義務付ける!
ドイツはソ連攻撃に日本の関東軍を当てにしている??
大島浩案である!!
これはカナリスにとっては渡りに船であるが、国防省は日本を信用しない!
それでも同盟案は進む………
が、ドイツの駐日武官がこれを本国に報告する!!
これを暗号化したのが、ゾルゲ!!! アホらしくなるが………
国防省は、中国重視である!!
しかもドイツには、三国干渉が対立になっている??
日清戦争である! リッベントロップは下関を知らない!!
進まないが、大島浩の発言!
「私は公開すべき協定のさまざまな抵抗を恐れる!
その協定が国際的にいかに受け取られるのか私にもはっきりしない」
自ら推進している、日独防共協定が世界にどんな波紋を及ぼすか分からないと!!
しかも、自らの在任中に成し遂げたいと!!
こいつも死刑やな!!!
〇 防共協定交渉の再燃
ドイツは日独協定に醒めている???
そこへソ連が経緯をすっぱぬく!!!
ゾルゲなどからの情報である?
大島浩、リッベントロップ、カナリスは情報戦で敗北する!!
防共協定は一時停止となる!!
日本陸軍の隠密行動だったが、外務省も海軍も知る!
が、外務省は防共協定なら結んだ方が良いと!
外務大臣に有田八郎が就任する!
戦後、三島由紀夫の「宴のあと」のモデルと言われてプライバシー侵害の裁判になる!
ただ有田八郎は、一挙にことを進めない!!
含蓄に富んだ外交論である!
結果まとまる交渉でも、最初から黒々とした墨で書かない!
薄く書いて、なぞっていく!
要は交渉と言うことなんだろう…………
大島浩は最初から「黒々と書くタイプの政治家か??」
〇 ドイツ外務省の脱落
ドイツ国防軍は親中派である!
日本など取るに足らないと??
同盟国としては、論外である!
ただそうしたら、中国はドイツにとって利益になるのか???
日本は独中協定の情報を得ている!
国防軍は、中国に援助する!
◆ 軍事顧問団、経済、技術顧問団を派遣
◆ 10万の軍に拡大、30万規模にまで拡大
◆ 軍需産業の育成
◆ 4,000万ライヒスマルクの緊急給与
◆ 高速魚雷艇の供与、最終的には50隻
◆ 小型潜水艦の供与
◆ 沿岸要塞の建造
想定される敵国は、日本!!
外務省は脱落する!
国防軍が親中反日政策をとったことが、外務省を日独協調へ追いやる!!
〇 墨の色を濃くする大島
◆ 1936年7月 日独防共協定と、秘密議定書の案文がドイツ側から示される!
ソ連に対する秘密文書??
◆ スペイン内戦 この時期から英仏に対するカウンターウェイトに日本を充てる!
ドイツとイタリア以外では日本のみが共産主義に対抗出来る??
◆ ヒトラーはソ連を解体したい!!
◆ 11月25日 日独防共協定が締結される!
調印の相手がリッベントロップ! カナリスも顔を出す!
大島浩は不満である!
ソ連を相手とする、軍事同盟を希望する!
日独防共協定の締結後、暗躍する……
大島浩は墨を濃くする………
① 日独陸軍は、ソ連に関する情報を交換する!
② 日独陸軍は、対ソ謀略を協働して実施する!
③ 日ソ開戦時、ドイツは状況が許す限り、軍事物資を供給する!
逆も同様である!
④ 一方の軍が交戦したとき、どの程度のことが出来るのか?
⑤ 軍事協定の円滑化のために少なくとも年1回の合同協議会を開催する!
大島は、のちにドイツに有利になるように情報を流し、嘘もつく!
この時点でも、国防軍が同意見だと虚偽の報告をする!
虚偽の報告を入れる???
が、情報交換、謀略工作の協力を文章化した??
トルコ、イラン、コーカサス、ヨーロッパで行う情報収集、
破壊工作、亡命者を利用した工作は記された!
1939年 スターリン暗殺計画もあった??? 真偽は分からない!
「桧山良昭 スターリン暗殺計画 ドキュメンタル・ミステリィ」
のような本もあったが………
武器商人ハックは国防軍、親衛隊と対立し、男色の罪で逮捕される!
が、日本は見捨てずに釈放させる!!
終戦工作まで関与するが………
〇 魔の磁力
国際情勢が変わる!!
① 1937年 日中戦争勃発!
ドイツは、親中派、外務省、国防軍に、
親日派、リッベントロップ、カナリスの間で振り込状態である!
駐中ドイツ大使 トラウトマンが仲介するが、近衛内閣が拒否する!
ドイツは極東も争いではなく、対ソ攻撃をさせたい!
極東の兵をヨーロッパに来させたくないが、結局はこの兵がドイツ相手に奮戦する!
ヒトラーは国防軍と外務省のトップを交代させて親日路線になる!
リッベントロップが外務大臣である!
② イタリアの防共協定参加!
③ ドイツのオーストリア併合、チェコスロヴァキア解体を企図する!
この目的、英仏ソのけん制のために、日本の協力を必要とする!
手ゴマは、大島浩???
日本も対ソ戦のためにドイツとの連携を必要とする!
日独にイタリアを含める!
いずれかの国が攻撃されればの協定を結ぶ???
「防共協定強化交渉」が始まる!
大島浩は駐独大使になる予定である!
ヒトラーは、はるか後年大島浩について言う!
「軍人的な決断力と行動力にみちた、優れた外交官だと」
亡国の元をつくった二人の自画自賛である!!
第二章 同盟のため奮闘せるも……
〇 日本陸軍も軍事同盟を狙う
◆ 1938年 イタリア駐在武官有末清三大佐は、大島浩にハンガリーに呼び出される!
飛行場の片隅で、日独軍事同盟についてイタリアの動向である!
秘密を保つために、ハンガリーである?? 大島は笠原幸雄を同行している!
ただ会議の場所については意見が違う!
記憶違いか?? 大島浩の証言は食い違いが多い?
国運のかかった案件の打ち合わせ後、キャバレーに行ったと??
6月に陸軍大臣になった板垣征四郎は日独提携論者である!
◆ 板垣征四郎
1885年1月21日~1948年12月23日 最終階級は陸軍大将!
満州国軍政部最高顧問、関東軍参謀長、陸軍大臣などを務めた!
関東軍高級参謀として石原莞爾とともに満州事変を決行し、第二次世界大戦においては第7方面軍司令官を勤めた!
戦後の極東国際軍事裁判にてA級戦犯として死刑判決を受け処刑された!
731部隊の前身部隊である関東軍防疫部の設立提案者!!
南部藩出身!
半藤一利の言う、賊軍の昭和史からは外れている!!
石原莞爾と板垣がいなければ満州事変は起きなかった???
そんなことは無いと思うが、、板垣だけではなく、石原莞爾も処刑ものである!
外務大臣 宇垣一成は日独連携に乗り気ではない!
が若手に連携論者がいる!!
ドイツとの間には防共協定を拡大した相互援助条約!
イタリアとの間には中立・協議条約が良いと!
この中で5相会議、総理、陸海軍大臣、大蔵大臣、外務大臣が行われる!
笠原幸雄は帰国し、陸海軍に報告する!
おおぬね好評のようであるが、海軍は米内、山本、井上がいる!
この情報を笠原は、外務省に秘密にせよと言われるが、無視!
が、宇垣外務大臣は自分の胸に収める!!
笠原携行案は??
① 締約国の一が締約国以外の第三国と外交上の困難を生ぜし場合、
各締約国はしかるべき共同作戦に、直ちに協議を行う!
② 締約国の一が締約国以外の第三国と脅威を受けたる場合、
この脅威を排除するために他の締約国はあらゆる政治的外交的支援を行う義務がある!
③ 締約国の一が締約国以外の第三国より攻撃を受けたる場合、
他の締約国は、これに対し武力援助を行う義務があるものとする!
陸軍は納得する????
〇 笠原携行案の波紋
この情報を笠原は、外務省に秘密にせよと言われるが、無視!
が、宇垣外務大臣は自分の胸に収める!!
笠原携行案は??
① 締約国の一が締約国以外の第三国と外交上の困難を生ぜし場合、
各締約国はしかるべき共同作戦に、直ちに協議を行う!
② 締約国の一が締約国以外の第三国と脅威を受けたる場合、
この脅威を排除するために他の締約国はあらゆる政治的外交的支援を行う義務がある!
③ 締約国の一が締約国以外の第三国より攻撃を受けたる場合、
他の締約国は、これに対し武力援助を行う義務があるものとする!
陸軍は納得する????
〇 七か条の質問
が、海軍は違う!!
「海軍善玉論」が戦後長く信じられていたが違う!
保阪正康ははっきり「海軍も戦争したかったと!」
半藤一利は開戦を主導したのは、薩長土の海軍だと!!
海軍は日英同盟廃止で、新たな最新兵器の購入先を探さねばならない!
ドイツがその候補国であり、技術者、軍人が送られる!
著者は遠慮気味に書いている!
「ハニートラップ」に近いものがあったと???
が、半藤一利はズバッと書いている!
ドイツ帰りの軍人が何故親独になるのか??
誰も教えてくれないが、実松譲がばらした!!!!!!!
ドイツではメイドと称して女性をあてがう!!
これを読んだときは情なかったが………
現在も中国では露骨に行われいるようだ!!!!
男なんてそんなものか???
現在は、米内、山本、井上に対しても批判はある!!
そんな完璧な人間なんていない!!
他人を批判するとき、人は皆道徳家になる!!
ただ筆者はこの三国同盟に関しては評価している!
山本五十六は7ヶ条の質問を、岡敬純大佐に浴びせる!!
① ドイツとの連携は、日中戦争を処理するうえでイギリスとの交渉に有害ではないか
② 日独伊防共協定は日本に不利に働くのでは
③ 対ソ方面に限るとすれば
④ 締結の時期は早過ぎれはかえって不利になる
⑤ 日ソ戦の場合、ドイツよりの実質的援助は期待できない
⑥ この条約で中国における権益を、独伊に分けなければならないのか
⑦ 日独伊に対して、英米ソが経済的な圧力をかければどうなるか
⑥ はともかく、他は不安通りになる!!
これに対する岡敬純の回答がある!!
① イギリス外交は利害関係で動くので、独伊と結べらばその力に妥協する?
② 日ソ戦に参戦してくれなくとも、ヨーロッパに兵をひきつけてくれる??
まったく独ソ戦で、日本は参戦しなかったので、極東の兵をヨーロッパに向けた!
③ 中国の権益はイギリスより独伊に渡した方が有利である??
海軍は反対に回る!!
リッベントロップ・大島浩はまず軍部をまとめようとしたが、その前提が崩れている!
あらかじめ米内海軍大臣に了解を取り付けようとするが………
〇 「金魚大臣」の雄弁
1938年に会談が持たれる?
◆ 米内! ◇ 板垣!
◆ この同盟の目的は?? 第三国は??
◇ 英ソ
◆ 防共協定を攻守同盟まで進めるのか
◇ そう希望しています
◆ 英ソを同時に相手する同盟は不可である!!
米内の分析は当たっている!
・米英の経済的圧迫が必ずある!
・アメリカの存在 黙っていない!
・独伊の本音! 日本組し易しと??
・オーストリア、ハンガリー、チェコスロヴァキアを、
あわよくばポーランド、ウクライナを含むだ土市帝国をつくる?
・イタリアはスペイン、北アフリカに影響力を及ぼす!
ソ連のみの同盟なら賛成であるが、英国まででは、
職をとして反対すると!!
米内、板垣は同郷である!
が、むなしい5時間だったようだ………
〇 板垣の二枚舌か?
米内は外務省を巻き込んで、英国を含むのに反対する!
外務省は怒り狂う…………
が、ドイツ案の修正を図る!
① ソ連が主敵で、英米を敵にするものでは無いと!
② 戦争を意図するものでは無いと!
③ 意に反して欧州の戦争に巻き込まれない
大島浩の望んだ戦闘的同盟を、外務省は結ぶ気はない!
米内は五相会議に持ち込む!
この大事な決定に、思い込みがある!
陸軍と海軍、外務省が自分の都合よく解釈する!
この同盟は絶えず問題になる!!
◆ 参戦義務はあるか?? 自動参戦???
◆ 敵国は何処か??
海軍に外務省は、ソ連のみの対象で、英仏、アメリカは含まない!
攻撃を受けたときのみであると!!
陸軍は、同盟の対象に英米を含むと!
問題は、板垣征四郎であると!!
虚言食言をなし続けている???
〇 欧州の風雲
陸海軍中毒武官、駐独大使がいるが、それぞれも訓電が違う??
◆ 東郷茂徳大使 同盟は対ソで英米を敵とするものでは無い!
◆ 大島浩 陸軍武官 英米を主敵とするような印象を与えることに注意する?
ヒトラーは、原則合意である!
リッベントロップは「双方の信頼無くしては意義がない」
どの口が言う!!
当時ドイツは戦争を目の前にしている!
チェコスロヴァキアである!
ヒトラーもこの時期は100%の自信があったわけではない!
チェコスロヴァキア救援に英仏が入ることを牽制するために、
日本が必要である!
東南アジアの英仏の植民地を日本が狙う行動が欲しい!
形だけでも同盟が欲しい!!
〇 ミュンヘンの一時停止
が英仏が戦いより4カ国会議で解決しようとする!!
ドイツ、イギリス、フランス、イタリアである!
チェンバレンの融和政策である!!
チェコスロヴァキアに妥協させる!
それでヨーロッパの平和が確保されるのであれば………
ミュンヘン会議である!
4人でムッソリーニは4ヶ国語が理解出来る!
ちょこまか動き回る??
ズデーテンを手に入れる!!
この時チェコスロヴァキアの代表もミュンヘンに来ていたようだ!
当事者無視である!!
ドイツが言う、残余チェコ、ポーランドは風前の灯火か??
その為にも日本が必要である???
〇 役者の交代
外務省は対ソ!
陸海軍は英米も含むと!!
海軍も中堅将校が親独派である!!
岡敬純、神重徳らである!!
米内、山本、井上は反対である!!
これではやり難いと思う!!
井上美成が、神重徳に外務省に書類を持って行けと命じる!
よう持って行かない?? 内容が気に入らない!
これを「君は局員、私は局長、持って行かなければ担当を変える」
そう言わなければやらない!!
この神重徳もちょっとした気が狂っている!
戦後死亡するが、沖縄特攻に自ら行くべきだった????
外務大臣 宇垣一成が辞任する!
後任は有田八郎!!
墨は徐々に濃くしていく………
黒々と最初から濃くしない???
日独の軍事同盟に反対である!!
が駐独大使が東郷茂徳では陸軍がやり難い!!
大島浩を大使にしたい!!
リッベントロップもこれを望む!!
大島浩は自分は辞退したが押し付けられたと???
本人の証言がいかに当てにならないかである???
嬉々としていたようだ!!!!!
この時期、駐伊大使に白鳥敏夫が任命される!!
松岡洋右と靖国神社へ祀られている!!
天皇が靖国神社に行かなくなった原因の一つが、白鳥敏夫のようだ???
〇 板垣直言す
毎回問題になる、対象国はソ連だけか?? 自動参戦か??
多数と言うのは???
板垣陸軍大臣は、フランスが赤化したらどうなるかと??
屁理屈である!! 多数の国含めようとする!!
しかし常識的に考えれば、フランスが赤化すると言うことは、
ヨーロッパの情勢が変わることになる!
神重徳らは、イタリアとの同盟はイギリスの牽制だから、
イギリスを対象にしなければならないと??
板垣征四郎は果たして戦略と言うものを持っていたのか???
下のものに突き上げられて意見を変える! 頭の良い人ではない??
それも理解せずに会議に出て、コテンパにやられている??
出先の機関も怒り狂う!!
大島に有末らか???
近衛内閣が潰れる??
投げ出しか???
〇 どうどうめぐりの交渉
平沼騏一郎が組閣する!!
司馬遼太郎である! 平沼騏一郎程度でも検事総長は務まる???
◆ 1939年 ドイツは新しい案文を出す!!
武力援助と参戦義務である!
有田外相は、任せられないと使節団を派遣する!
大島浩と白鳥敏夫は強烈に反対する!!
この流れは??
◆ 3月末 大島浩、白鳥敏夫はかってに独伊に妥協案をだす!
両大使を更迭したいが、陸軍が反対する!
◆ 4月14日 有田外相は交渉打ち切りを言うが、板垣征四郎が反対!
◆ 5月4日 日本は参戦は不可だと!!
◆ ドイツよりガウス案が出される!
突き詰めれば、何度も書くが、2点である!
◆ 日独伊三国同盟がの対象に英仏を含むのか?
◆ 参戦義務はあるのか??
ヒトラーの野望が急がせる!!
まずチェコスロヴァキアが地図から消える!
次はポーランドである!
英仏も今度は黙っていない!
ポーランドに援助の保障を与える!!
この時期ヒトラーも英仏を相手にする気はない!
◆ 5月22日 イタリアと鋼鉄同盟を結ぶ!
日本とは議論ばかりでらちがあかない!!
なら他の手段を考えなければならない!!
英仏を牽制できる国???
大国であるが、イギリスとべったりの国もある?????
〇 板垣の「工作」
著者は、この時期の海軍、米内、山本、井上を褒める!
最近は凡将、愚将論も盛んに出る!
後知恵では何とでも言える!
山本五十六については書いている!!
「太平洋の巨鷲」山本五十六 用兵思想からみた真価」
これは個人的には、「半藤一利 山本五十六の無念」が抜きんでいたが、
著者の本も匹敵すると思うが………
◆ 米内 英米との戦争に見込みなしと、はっきり言う!
◆ 山本五十六 テロの危険がある!
「陛下と祖国のために死ぬのは、軍人たるもの、もとより望むところ、
戦場であろうと、平時の持ち場であろうと同じことである」
板垣征四郎、大島浩らの覚悟と比べれば差があり過ぎる!!
◆ 中国で混乱がある!
◆ 5月中旬 ノモンハン事件が起こる!
三悪人、五味川純平、司馬遼太郎、半藤一利!!
ノモンハンでは勝っていたのにこの3人が負けた負けた言い続ける!!
相手の損害も把握できずに、はるか後年にソ連の損害の方が多かったと?
現地の指揮官に自決を命じておいて何が勝っていたかと!
この負けにより、ソ連の脅威を実感する!!
板垣征四郎は辞任をほのめかす!
それにより、大島浩、白鳥敏夫の辞任にもつながると、
駐日ドイツ、イタリア大使に泣きつく!
日本案を承認してくれと!!
どうもこれは自分の弁護のためにやったと!
ここまでやったのだと????
独ソ不可侵条約についてははっきり分かっているようだ!!
まずスターリンの猜疑心がある!!
英仏はヒトラーをけしかけてソ連を攻めさせるのではないか??
リアリスト、スターリンはドイツの攻撃を避けなければならない!
不俱戴天の仇のドイツと言えども妥協しなくてはならない!
スターリンは慎重に意思表示を行う!
演説、ユダヤ人の外交責任者を更迭!
スターリンはモロトフを任命する!
ヒトラーもサインを受け取る!!
日本か、ソ連か? 日本は優柔不断である!!
迷ったのか?? ヒトラーはスターリンと結ぶ!!
リッベントロップをモスクワに派遣する!!
〇 欧州情勢複雑怪奇
日本も、それまでにドイツのサインを受け取っている!!
日本と言っても大島浩に白鳥敏夫である!!
日本との同盟がならぬなら、ソ連と結ぶと!!
大島浩はモスクワへ飛ぶリッベントロップから言われる!
「これからモスクワに飛び、独ソ不可侵条約を結びに行くと」
驚愕し、出発前のリッベントロップに会う!
有田八郎は、交渉打ち切りを訓電する!
が、大島浩は3週間後に手渡す!
このような個人的外交を続けた大島浩は辞職しかない!!
白鳥敏夫もである!!
「欧州情勢複雑怪奇」と平沼内閣は辞職する!!
板垣征四郎は、志那派遣軍総参謀長に転じる!
ここまでやれば、東京裁判で死刑になっても仕方がない!!
日独伊三国同盟 「根拠なき確信」と「無責任」の果てに ①(2021/11)・大木毅
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