本・感染症の日本史 ①(2020/9)・磯田道史
新型コロナウイルスのワクチン、治療薬も確立していない今、歴史を見つめ直す必要がある
一級の歴史家が、平安の史書、江戸の随筆、百年前の政治家や文豪の日記などから、
新たな視点で日本人の知恵に光をあてる
人類史上、最大の脅威はつねに感染症だった。史料から貴重な教訓を発掘、
未来に活かす歴史的思考法を示す。
「給付金」も「出社制限」も「ソーシャル・ディスタンス」もすでにあった!
今こそ歴史の知恵が必要だ!
2020年で現在少し進行している!!
が色あせていない!!
特に、解説者で風邪と思えと、ブラジル大統領みたいなことを言う女もいた!
良く出演させると思うが??
2022年 スイス、オーストリア、チェコ、スロヴァキアに行ったが、
マスクをしている人は少ない?? 公共の場では、トラムなどではマスクはしているが………
真面目な本であるが、気に入らない人も多いと思う!!
内容は下記の通りである! ① ②と分けて紹介する!!
①
はじめに
第1章 人類史上最大の脅威
第2章 日本史のなかの感染症 世界一の「衛生観念」のルーツ
第3章 江戸のパンデミックを読み解く
②
第4章 はしかが歴史を動かした
第5章 感染の波は何度も襲来する スペイン風邪百年目の教訓
第6章 患者史のすすめ 京都女学生の「感染日記」
第7章 皇室も宰相も襲われた
第8章 文学者たちのスペイン風邪
第9章 歴史人口学は「命」の学問―わが師・速水融のことども
はじめに
2020年 新型ウィルス感染症の危機に直面する!
歴史学は著名な人物が主人公であり、記憶にあるのは、
中世のコレラに、スペイン風邪か??
が人間なんてやることは変わらない??
なのでその時の状況を知っておくことは役に立つと!!
「差別」「恐怖心」はいつまでたっても変わらないと!!
パンデミックの対策は「総合的な知性」が必要だと!
それには「歴史学」が威力を発揮すると!
第一章 人類史上最大の脅威
〇 確実にやってくる危機
ウィルスによるパンデミックは最も多くの死者を出している!
・ウィルスのパンデミック 頻繁に起こる?
・津波 100年に1回?
・火山の破局噴火 1万年に1回?
ウィルスのパンデミックは?
・1918年 スペイン風邪 5千万人
・1957年 アジア風邪 百万人
・1968年 香港風邪 75万人
・2009年 新型インフルエンザ 18,500人
・2020年 新型コロナ 2020年8月 80万人を超える!
やはり恐ろしいと!!
他国の不幸が全世界の不幸になる!!
〇 牧畜の開始とコロナウイルス
人型コロナウイルス??
4種類あったのが、SARS、MERSに、
今回の新型コロナで7種類になった!
遺伝子を調べると、紀元前8000年頃に発生!
その時期に「農耕革命」と「定住化」が始まったと!!
「人と動物との濃密な接触」
「人獣共通感染症」
ペストの大流行も「中世農業革命」があったと!
何かの「社会的・技術的・経済的な革命」の都度、
感染症に襲われると!
〇 ペリー艦隊が運んできた感染症
秀吉の朝鮮侵攻で、肥前名護屋城に兵を集めたが、
「肥前わずらい」性感染症が流行る!!
梅毒である!
結城秀康も感染した??
鎖国は感染症流行に一定の効果があった?
が長崎は開いており、ここからオランダを通じて、コレラを持ち込んだ??
ペリー艦隊が来た時にも持ち込まれる!
最初に立ち向かう、医療従事者の防護が必要だと!
〇 明治政府の自粛要請
シベリアで牛痘が流行る!
これをアメリカから知らされて検疫を行う?
病気でないと確認出来なければ上陸させない!
自粛要請がある!
・体や衣服を清潔を保つ
・掃除すること
・換気すること
・暴飲すべからず
・房事を接すべき
プライバシーの侵害である!!
〇 死亡率があらわす「格差」
日本への海外の観光客は3千万人!
10年後1億2千万人になる!
感染症大流行のリスクも高まると!
百年前は、国別、人種別の医療事情に生活状態の格差が大きく、
脂肪率に差があったと!
・オーストリア 0.3%
・ドイツ 0.38%
・イングランド 0.58%
日本は0.7%に、アメリカ0.65%!
逆は?
・中国 0.84~2.01%
・インドネシア 3.04%
・インド 6.05%
・ケニア 5.78%
オセアニアは?
・オーストラリア 0.27%
・ニュージーランド 白人0.58%、原住民4.24%!
国ごとに違うのは???
〇 スペイン風邪は波状的に襲ってきた
スペイン・インフルエンザは流行を繰り返した!
第一波 1918年5月~7月 春の先触れ
第二波 10月から1919年5月 前流行 26.6万人
第三波 1919年12月~1920年5月 後流行 18.7万人
一旦収束しても再流行すると!!
【新型コロナが、その通りではないか?】
〇 行動規制をせず被害が拡大
スペイン・インフルエンザの場合は、「相撲風邪」と言われた!
2020年は無観客で行ったが、当時は制限はない!
与謝野晶子は、11人の子供がいた??
一人が学校で感染し、みんな感染する!
当時は「劇場の閉鎖は演劇の死」
皮肉なことに最初の知名人の犠牲者は劇作家である!
今回は志村けんか??
感染症の流行拠点は?
病院、学校、鉄道、船、軍隊で「密集」「移動」するところである!
百年前は連絡船の港・青森、貿易船の港・神戸??
現在では、空港に東京であると!!
〇 海上のクラスター軍艦「矢矧」事件
1918年 軽巡洋艦「矢矧」 シンガポールに寄港して、
条件付きで上陸を許可し、感染し469人の内48人が死ぬ!
ここに地中海帰りの巡洋艦「明石」の乗組員がいた!
すでにスペイン風邪に罹患していて免疫を持っていた?
不幸中の幸いか?
現在では、国民の意識が高くなっている!
が官庁の連絡意識は薄いと!!
「行政からのお願い」と「国民の自主規制」
これは「法的根拠が曖昧」との批判がある??
後藤新平! さすがと言うべきか??
「寝覚めよき事こそなさめ、世の人の、良しと悪しとは言ふに任せて」
緊急時のリーダーは?
世評は放置、仁慈、良心に従って断行することも必要?
〇 感染症に強いゾーニング文化
日本は内と外を峻別する「ゾーニング文化」だと!!
靴を脱ぐ、コートも入り口にかける!
手、ノブ、スイッチなども消毒する!
からだの部位も「ゾーニング」されている!
頭部が「清」で足元が「次」
集団免疫政策は失敗か?
封じ込め政策は効果が無い?
そんなことは無い!!
素早い検査と院内感染対策がなければ、
致死率も二次感染も減らせないと!!
〇 新しい「国防」とは
日本を守る??
軍事的な意味だけではないと!
世界最強の軍事力でも死者は減らせない!
今世紀最大の脅威は、敵国よりウィルスであると!
人類の敵は人類ではなく、「ウィルスという人類共通の相手」を封じるために、
協力しなければならないと!!!
第二章 日本史のなかの感染症 世界一の「衛生観念」のルーツ
〇 「最初の天皇」と疫病
実在した可能性のある天皇は、神武天皇から10代目の崇神天皇と言われる!
即位5年目に疫病が襲う! 国民の半数が死ぬ………
ここからは神話だと思うが、お告げに従い祀って終息した?
各地で疫病払いが行われた??
〇 奈良の大仏は天然痘対策?
BC430年 ギリシャ アテナイ
パルテノン神殿が完成し、兵士を集め籠城戦の準備の直後、
疫病がはやり、大量死になる!
聖武天皇は疫病を鎮めるために大仏を建立した!
〇 疫神を歓待する日本人
治療薬もない時代の疫病封じは??
・京都祇園祭
・「粽」は護符の一種!
疫病は恐いが、歓待すれば買収・契約・交流出来る??
「客人」で疫神は仇敵ではなかった………
〇 ワクチンがわりに張り紙
・新潟 「牛の絵を描いた紙」 逆さにして入り口に貼る!
・「目かご」を入り口にかける!
・「履物」を家にしまう
・「一升徳利に杉の葉をさしたもの」入り口に下げる
・富山 「手形」を厄除けに貼る!
・江戸 「麦藁で作った蛇」を入り口に置く
・京都 「上酒有」のと書いて入り口に貼る
・疫神が老婆の姿で現れて会話する???
・疫病の面所を与えた人物?? これらの名前を書いて入り口に貼る
鎮西八郎為朝、源義家………
江戸後期からは、非合理な信心を「迷信」と断じる??
〇 江戸の医学者の隔離予防論
その中で「隔離予防」を感染症対策で進める??
山中に隔離する!
「痘瘡、麻疹、梅毒、疥癬」を伝染病と見破る!
それは??
第一 病に近寄りて熱気花に入る
第二 病の弄物すべて病中寝処にありし物を手に触れても伝染す
第三 食物にて伝染す! 病原体が食物内で伝染する!
どうするのか?
・病気に接しない
・消毒の概念もある!
・外食、集会を禁じる
・登校自粛?
隔離は、有効か???
〇 杜撰だったスペイン風邪への対応
スペイン風邪に、ロサンゼルス市は細かく規則を徹底させた!
・入口に感染した「カード」を掲示させる!
・隔離家屋を指定する!
が、内務次官は「マスクとうがい」を言う!
国民の不満を恐れたようだ??
与謝野晶子は、学校・演劇場など多くの人が密集するところの、
一時休養をしなかったと嘆く!!
【当然相撲興業もか?】
〇 最善の事例を素早く真似よ
新型ということは初めてである?
過去のデータは当てはまらない?
が、参考にはなる!
「地球を一つに見て、最善と思われる対策事例があれば、
どんなに手間でもそれをまねた方がよいと」
・ただの風邪と言ったブラジル大統領! 無能で殺人者か??
・ゼロコロナ政策の中国! 新型が今より悪性だったら効果があった??
・トランプ大統領も変わらないか??
・日本の対応は、最善でも最良でもないが、それなりによくやっていたのではないか??
第三章 江戸のパンデミックを読み解く
〇 馬琴が残した詳細な記録
滝沢馬琴は多くの随筆集がある!
文政三年 1820年 感染が流行る!
これは軽度なもので、死ぬ人間はいない!
ただこれには名前が無かったと?
武漢ウィルス? スペイン風邪??
琉球風??
地名と結びつけられるとイメージが悪い?
スペイン風邪は濡れぎれである??
人間心理は今も昔も変わらない??
結びつけられると困る??
ただし、「武漢ウィルス」はその通りと思うが………
〇 歌も言葉も風邪も「流行る」
江戸期は「その年の流行歌や流行語」が病名になる??
・安永のお世話風
・文化のたんほう風
現在では、習ウィルス??
志村ウィルス???
〇 文政4年の第二波襲来
しかし著者もよく読んでいる!
古文書では無いと思うが………
「日本疾病支」
感染症ごとに過去の史料を集大成している!
時代が違うとは言えども、参考になるものはある………
〇 谷風・お七風・アンポん風
・地域名
・人命
・流行り歌
・安永五年 お駒風
・天明四年 谷風 力士の強さ?
・享和二年 お七風 八百屋お七
アンポン風 インドネシアのアンポン島
薩摩風
世の中、今も昔も変わらない???
〇 物資高騰と営業自粛
熱があると食べれなくなる?
果物ぐらいか?
その果物が値上がりしている!
逆にまったけは暴落する??
茶屋や旅籠屋も休業する!
風呂も午後4時には閉める??
湯上りに冷えて風でも引いたら叶わないと!!
合理的である!!
確かに歴史的な研究が必要であると!!!
【こう言うと、医学の専門家は素人は黙っとれと?】
〇 すでにあった給付金
ただ酒になったのもあると思うが………
ただ、表通りと裏通りでは額が違う!
行商や露天商を助ける?
感染症の大流行は、経済活動にどんな影響を与えて、
時の政権はどんな対処したか?
差別は起きたか??
そう言う歴史研究が必要だと!!
〇 薬をただで配った大坂の商人たち
道修町??
大坂薬問屋の町!
現在では塩野義製薬、武田薬品がある!
薬屋が協力して薬をくばる!
効果があったかどうかは分からないようだが………
・初め 葛根湯、体を温める
・麻黄湯 発汗作用
・後 柴桂湯、熱悪寒 腹痛
・小柴胡湯 食欲不振 疲労
風邪に効くと言われる薬で、症状を緩和させて、体力を回復させる!
江戸時代の基本的感染症治療の基本だと!!
現在にも当てはまる???
〇 15代の将軍のうち14人が疱瘡に
徳川将軍15代のうち14人が疱瘡に!
ならなかったのは、7代家継で8歳で
天皇は15人中7人!
こうなると隔離に近い状態になる!
これは正解か??
将軍の病気が「自粛」を生み、
経済活動が低下する!!
〇 藩主の感染ゼロを実現した岩国藩
岩国藩?? 吉川広家!
問題の人間か??
関ヶ原で本家、毛利の犠牲になる!!
冷遇された??
ここの疱瘡対策!
「遠慮」
要は自粛である!
自宅療養すら禁じる!!
「隔離地域」を指定し、最後は濃厚接触者まで隔離する!
他藩も同じような制度はあるが、、ここまで徹底していない!!
ましてや「退飯米」
病人、看病人、同居人の隔離費用を領主が負担する!
藩主は一人も罹患しなかった………
〇 給付なき隔離政策の悲惨
他はどうしたのか???
長崎の大村藩!
隔離であるが、棄民に近い!
当然給付金など出ない!!
藩主は移動の場合も、患者を確認していた?
津山藩の人口は7千人! 1ヶ月で60人死ぬ!
現在の方法と同じで、毎月の死傷者は10人前後が、
60人になれば、50人は病気のせいだと推測する!!
〇 「自粛」を辞めさせた上杉鷹山
が、米沢藩主 上杉鷹山は隔離政策を取らない!
「自粛」に及ばずと!!
行政を優先した? 領民に迷惑をかけない事だと!
当時、米沢藩は直江兼続が集めた最先端の医書のコレクションがあり、
鷹山は、西洋医学の吸収にも積極的だった!
〇 矢継ぎ早の患者支援策
鷹山は患者支援を行う!
・生活困窮者の洗い出し
・手当を出す
・隣近所で助け合う
・江戸から天然痘の専門家を呼び寄せる
・医療の無償化? 服装も気にせず謝礼も不要!
・遠隔地も目を配る
・「御国民療治」
〇 名君の遺した最後の教訓
米沢藩は感染者8,389人中2,064人死亡!
これだけ手を尽くしても被害がある!!
藩主自ら自粛する!
・正月の祝賀の取りやめ
・被害の規模を詳細に残している!!
【誰も参考にしていない?】
感染症の日本史 ①・磯田道史
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