本・「命令違反」が組織を伸ばす ②(2007/8 )・菊澤研宗
②
第Ⅲ部 〈タイプⅡ〉の不条理を打破する命令違反
第7章 ミッドウエー海戦での山口多聞の良い命令違反
第8章 レイテ海戦での栗田健男の悪い命令違反
第9章 良い命令違反と悪い命令違反Ⅱ
結 章 命令違反のマネージメント
あとがき
参考文献
第Ⅲ部 〈タイプⅡ〉の不条理を打破する命令違反
第7章 ミッドウエー海戦での山口多聞の良い命令違反
山口多聞である!!
ミッドウエー作戦も黒島亀人が作戦を立案する!
作戦一 アリューシャン攻略 おとり艦隊!
作戦二 ミッドウエー島攻略
作戦三 ミッドウエー攻略とともに、敵機動艦隊を待つ
作戦四 一週間とどまり、帰島する!!!
この時の失敗の例は読みたくないが………
日本は舐めていた?? 知っている話である!!
① なぜ新任の友永丈市が攻撃隊の指揮を取ったのか?
淵田実津雄が病気なのは分かるが、適任者はいた………
第二次攻撃隊の要あり!!
② これにより魚雷を陸上用爆弾に換装する!!
③ その時に、敵空母発見である!!
④ 又、爆弾を換装する!!
⑤ 山口多聞は即座に攻撃隊を発信せよと!!
護衛の戦闘気なしである!! 爆弾も陸上用である!!
⑥ ミッドウエーからの攻撃隊を収納してから攻撃隊を発する!
⑦ アメリカの魚雷攻撃機は低空で来るが、ゼロ戦に撃墜される!
⑧ ゼロ戦が低空に舞い降りて来ていて、上空に穴が開き急降下爆撃機に攻撃される!
⑨ 生き残った飛龍の山口多聞は、次席ではないが「戦闘の指揮を取ると」
⑩ 戦い続けて力尽きる!!!
山口多聞の生きざまがある!!
そして戦争が始まり、活躍する!!!
① 真珠湾攻撃の時、飛龍・蒼龍が参加するかで南雲忠一の胸倉をつかみかけた?
② 真珠湾攻撃の二次攻撃を主張した
③ 爆弾の換装の時間がかかるのは経験しているが、これを問題視したが無視される
④ くうぼを2隻づつ分けて分散するの進言も無視される!
⑤ 乗組員の休養と、艦、飛行機の整備の交換を進言して無視される!!
第8章 レイテ海戦での栗田健男の悪い命令違反
問題の多い、栗田健男をレイテ沖海戦の指揮官に何故したのか??
名提督と持ち上げる人間もいるが……… アメリカは、はっきりしている!!
戦闘意欲がなければどんどん更迭される!!
● 栗田健男
① バタビヤ沖で戦わずに逃げた!! 海戦も積極的に戦わなかった??
② ミッドウエー海戦でも一目散に逃げたと言われている!!
③ ガタルカナル島への砲撃は成功したようだが……… 逃げられなかったのか??
④ そしてレイテ沖海戦である!
反転、2回目の反転………
珊瑚海海戦、ミッドウエー海戦、ガタルカナル島攻防戦、南太平洋海戦、
トラック島空襲、マリアナ沖海戦、台湾沖攻防戦………
これだけ戦ってきて、レイテ沖海戦である!!
敵の攻撃方法も分かって来ている???
戦い方があるはずであるが………
⑤ レイテ沖海戦も栗田、小柳の言い訳はよく聞く!!
この海戦の目的は、レイテ島防衛である!! そのための突入である!!!
それなのに、敵艦隊攻撃のために反転した?????
● レイテの作戦! 捷一号作戦である!!
作戦一 栗田艦隊が北方の敵上陸地点に突入する!
作戦二 西村艦隊に志摩艦隊も南方から突入する!
作戦三 小澤おとり艦隊!
作戦四 航空部隊の攻撃!
西村祥治は、派手さはないが、実直な司令官である!!
小澤治三郎は「レイテ沖海戦で、真剣に戦ったのは西村君だけだった!」
実際に戦ったキンケイド艦隊は砲弾を撃ち尽くした!!
それほどの激戦だった!!
もし栗田艦隊が突入すれば丸腰の艦隊がいたとなる!!!
戦後語らずの提督で何も言わなかったようだ!
牟田口廉也みたいに、言い訳を喋りまくっても困るが………
要は言えなかったんだろう……… 黙っているに限る………
海軍の人事の問題なのか?????
戦後、海軍軍事には財界からの援助もあったようだ!!!
が栗田健男は、レイテが原因で援助は受けれなかったようだ………
「無能」「臆病者」「愚将」「戦意無き指揮官」「無責任な指揮官」
もともと勇気と判断力、責任感に乏しい指揮官だったのか?????
第9章 良い命令違反と悪い命令違反Ⅱ
山口多聞と栗田健男の解説がある!!
契約をめぐる法と経済学アプローチで解説する!!
契約は賠償によって破ることが出来る!!
限定的人間なら、契約は常に不完全である!!
これにこだわると、莫大な取引コストが発生する!!
● 損害賠償制度は、必要とあれば契約を破る自由を与えれば、
取引コストは節約される!!
それにより取引が活発になり、資源が有効に配分される!!
二つの賠償責任制度!!
● 期待賠償責任制度
● 原状回復賠償責任制度
● 期待賠償責任制度と条理な契約違反
個人的のみならず、社会的にも効率的な資源配分をもたらす!
限定合理的な人間の非効率な契約違反が抑制される!
● 原状回復賠償責任制度と不条理な契約違反
個人的には効率的であるが、社会的には非効率な資源配分をもたらす契約違反に導かれる可能性がある!
これを山口多聞と栗田健男に当てはめる!!
● 山口多聞である!!! 期待賠償責任制度???
ミッドウエー海戦で、第二航空船隊を任される!!
山口多聞に投資している?? それ以上のリターンを期待している!!
敵空母発見で、即攻撃隊発信を意見具申したが、認められなかった!!
この時攻撃隊を発すればどうなっていたか??
命令違反で問われる組織、攻撃隊などを収容しきれなくなる………
この時は、期待メリットが期待コストをカバーしきれない!
しかし攻撃を受けた後は、自ら指揮を執って攻撃隊を発進する!!
この時は期待メリットが、期待コストを上回っている???
命令違反は、組織の倫理から言えば不正でも、組織全体の効率性は極めて条理であった!
賠償責任原理に従っていたという事は、無責任な行動でもなかった!!
命令違反は常に価値創造的になり、組織は不条理から救われる!!
● 栗田健男である!! 原状回復賠償責任制度???
レイテ湾に突入すれば、艦隊は全滅する??
それはあまりに大きいコストである!!
栗田健男は艦隊を残して次の作戦に備えたいと?????
第1回の反転である!!
が、状況が変わり再度突入して再度反転する……
レイテを目の前にしている……… 時間通りに突入した西村艦隊は壊滅している!!
しかしまた艦隊を残して次の作戦に備えたいと考えて反転した………
命令違反によって生じる、今までのコストは十分確保できると!!
そう考えたのではないか??
しかしレイテ作戦のために投入したコストは全て無駄になった!!!
栗田艦隊の命令違反は、レイテ上陸の米軍を阻止出来るような期待値を生まなかった??
栗田の行動は、非効率で、非合理で、無責任に思える!
そもそも栗田に艦隊を任せたのは過剰投資であったと!!
この栗田の解説はどうなのかと思うが………
結 章 命令違反のマネージメント
人間は限定合理的であると!!
● タイプⅠ 非効率な命令に従うなら非効率になる! 正当性と効率性の不一致が生み出す不条理!!
● タイプⅡ 反社会的な命令に従うなら淘汰される! 個別性と社会性の不一致が生み出す不条理!!
両者を一致させる、命令違反は許される!!
● 上司の命令と、部下の反応の4ツのパターン!!
C1 上司が効率的ではあるが反社会な命令を出した時
C2 上司が非効率的で反社会な命令を出した時
C3 上司が効率的ではあるが社会な命令を出した時
C4 上司が効率的で社会な命令を出した時
要はC4になるようにしなければならない!!
そのために命令違反がある!!
しかし命令違反が組織の人間関係を破壊するかもしれない!!
しかしそのような組織はすでに死んでいると!!!
● ポパーの考え
限定合理的人間は、批判的な議論にもとづく誤り排除の方法によって進化する?
● カント的人間関係
自分の目的のために、相手を利用してはならない!
他律的な行動 行動の原因が外にある場合、他律的な行動は人間本来の行動ではない!
自律的な行動 自らの意志を出発点として行動を起こす自由意思を持った人々の関係であり
これらの人間の集まりで、お互いを認め合う、「カント的人間関係」が形成出来れば、
批判的議論にもとづく誤りの排除により、組織は進化出来る!!!
● 誤り排除の図式
以下のように進める!!!
暫定的組織(TO1)➡ 誤り排除(EE)➡ 問題(P1)➡ 暫定的組織(TO2)
● 暫定的組織(TO1)
全ては限定合理的で、規則、命令は完全ではなく、すべてが暫定的である!
● 批判的議論による誤り排除(EE)
早いうちに誤りを見いだし、批判的になる!
全てを否定する分けでもなく、外部からの批判にも耳を傾ける!
● 批判が生み出す問題(P1)
批判を通して、新しい問題、反社会的で非効率な点が見いだされるなら、
組織の危機として認識され、解決されなければならない!
命令違反も有効な手段となるが、それは組織の失敗ではない!!
それは必要なものである!!!
● 暫定的な新組織(TO2)
命令違反により組織の危機が回避されて組織は進化する!
問題か解決されなければ組織は存亡の危機にさらされる!
● 開かれた組織
良い命令違反を引き出すためには、交互に目的達成の手段とはせずに、相手の存在認める!
命令違反を行う理由をお互いが分かり、私利私欲ではなく組織のためになると!!
限定合理的であれは、この議論を繰り返し、完全な組織への絶えざる接近しかないと!!
これが「開かれた組織」であり、タイミングよく「良い命令違反」を行い、
それをマネージメント出来るなら、組織は不条理に落ちらないと!!!
あとがき
日本軍の失敗は、不合理なものだったのか???
それより合理的に失敗したのではないか??
その不条理を避けるためには、「命令違反」が必要である!!
「命令違反」が組織を伸ばす ②・菊澤研宗
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