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2022年5月 5日 (木)

本・つわものの賦 ①(2021/9)・永井路子

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2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代、
鎌倉武士たちのリアルな姿を描き出した面白さ抜群の傑作歴史評伝1

『炎環』『北条政子』で鎌倉幕府成立の時代を小説として描いた後も、
『吾妻鏡』を何度も読み返し、
この時代を【大きな変革の時代】として位置付けてきた永井路子氏!

鎌倉幕府の成立は、「源頼朝の旗揚げ」というより、
東国武士団が無償の奉仕と訣別し、

働きに見合った恩賞を確立する中世の夜明けに他ならない!
盛り上がりの中核は、外からの力でも、源頼朝個人の挙兵ではなく、
東国武士団の行動だと!

本書は、永井氏が鎌倉時代を扱った一連の小説の原点であり、帰結でもある!


分かり易い本である!!
「吾妻鏡」など、裏読みする!
大変楽しい!
小説家が、新たな説を出すと学界から間違いなく反論が来る!
実朝暗殺の黒幕は??
著者は、三浦一族を重視する!
北条VS三浦!!!
義時VS義村!!
著者の本で、三浦義村のファンになった???
大変失礼であるが「神輿は軽くてパーが良い」
頼朝は生き残ってもいずれ排除される運命か????
内容は楽しく、下記の通りである!! ① ②と分けて紹介する!!



序 章 嵐の中への出発   治承四年八月
第一章 中世宣言      三浦義明の場合
第二章 空白の意味するもの 上総広常の場合
第三章 功名手柄      熊谷直実の場合
第四章 東国ピラミッド   源平合戦の意味
第五章 「忠誠」の組織者  梶原景時の場合


第六章 大天狗論      東国対西国
第七章 奥州国家の落日   征夷大将軍とは何か
第八章 裾野で何が起ったか 曽我の仇討ちにひそむもの
第九章 血ぬられた鎌倉   比企の乱をめぐって
第十章 雪の日の惨劇    三浦義村の場合
第十一章 承久の嵐     北条義時の場合
あとがき


序 章 嵐の中への出発  治承四年八月
頼朝の旗揚げである!!
北条とともに山木兼隆の首を挙げている!
「頼朝の旗揚げ」ではなく「東国武士団の旗揚げ」であると!
が、北条は弱小である!
三浦は大きい!!
嵐の中を三浦は駆けつけようとするが、船が出せずに陸路を取る!
遅れる………
中世の日本は、3つに分かれていたと??
◇ 西国先進中央国家
◇ 東国
◇ 奥州

奥州は民度が低い??
貧しいが王様だけは金持である!!
金色堂がある!

東国の武士が台頭する!!
平将門の乱!
東国武士団は、私兵をたくさん抱えた農業主!

武士団の本拠地は?
売尻に山を背負った南に開けた台地に屋敷を構えて水を利用出来る!
まわりに子分が住む!
家人、郎党………

三浦半島に根を下ろした三浦一族!
新しく農場を開いて行く!

その地名にちなんで、和田義盛、佐原義連、大和田義久………
一所懸命?? 土地が命か??
当時は土地所有があいまいだった??
パトロンがいる方が有利である!
京にいる??
お互い利用している!!
◇ 役人として権力をかさに着てうまくやる?
◇ 荘園を寄贈して、中央の貴族や寺社に頼る?

東国の武士団は??
◇ 常陸 大掾氏、佐竹秀義(源氏)
◇ 下野 小山政光 足利義兼 宇都宮頼綱 八田知家
◇ 上野 新田義重(源氏)
◇ 武蔵 畠山重忠 河越重頼 江戸重長 小山田有重 
  葛西清重 稲毛重成 渋谷重国 武蔵七党
◇ 安房 安西景益
◇ 上総 上総広常
◇ 下総 千葉常胤 下河辺行平
◇ 相模 三浦氏 梶原景時 大庭景親 土肥実平 二宮友平 
    中村宗弘 波多野義常 山内須藤経俊
◇ 伊豆 工藤祐経 伊東祐親 宇佐美祐茂 曽我祐信(「祐」名前が同じか)北条氏

様々な規模である!
ドイツ300諸侯と言った方が分かり易い????
上総、畠山、三浦に北条は及ばないと!!

北条、三浦、中村がなぜ踏み切ったのか??
中央の権力者は当てにならない??
『前九年の役』『後三年の役』
この前に「平忠常の乱」がある!
源頼義、義家に従い東国武士が戦う!
楽な戦いではなかったが、頼りになる親分だと!!
いざとなった時に力になってくれる?
三浦氏は??
◇ 義朝に従い、大庭御厨に殴り込む
◇ 悪源太義平を担いで、義朝の弟、義賢を討った

東国武士は、頼りになるボスだけでなく、調停役を求めていた!
藤原氏は衰え、平氏も勢いがなくなって来ている???
「世の中に永遠のものはない 変わるときが来る」

平治の乱から20年経っている!
三浦義澄、上総広常らが参加している!
政局を見ている!!
以仁王の挙兵がある!!
頼朝は、立つべきと勧めらた???
我らが味方すると???
以仁王は直ぐに敗れる!
が、令旨を頼朝は貰っている!
立つしかない???
が、安達盛長に兵を集めさすが、集まらない!!
しかしもはや後には引けない!!
同調したのは、北条、仁田忠常、土肥実平、三浦氏、千葉氏……
海沿いの武士団だと!
ともあれ出陣である!!!


第一章 中世宣言  三浦義明の場合
頼朝は緒戦に勝つが、大葉景親らに負ける!
300騎VS3,000騎???
兵力差はあった!! 実数は分からない???
なんせ急である! 集まるのは伊豆のまわりだけである??
武蔵、房総、下野、上野、相模から来れるのか??
頼朝は逃げる1 土肥実平と一緒である!!
ここで梶原景時に見逃される?? 計算済か??
この時期、北条は影が薄い???
宗時が戦死する??

頼朝の人心掌握術!
「よう来てくれた」
「真実お前だけが頼りだと」
頼朝の戦経験は、負けた「平治の乱」しかない!!
そもそも軍才があったのか???

三浦は出遅れているが、敗報を聞く!
ここで畠山重忠の軍勢と会う!!
にらみ合いが続き、合戦となる!
「由比浦」で戦いは始まり、どちらも被害は多かった!

衣笠城に三浦は引き上げるが、畠山重忠が江戸重長、河越重頼らと攻めてくる!
ちっぽけな三浦と、武蔵の豪族たちである!
三浦は海路で逃げて、安房に行く!!
89歳の総帥義明は残り、ここで死ぬ!!
源氏再興を信じ、命を捧げた??
◇ 命を頼朝に捧げる
◇ それを子孫の功績にすること
そんな単純なものではない!!
御恩と奉公! ギヴ&テイク????
働いただけ貰う!!!
それだけ土地はあったとい!!!
徳川時代はもう土地はない!!
「武士は働いても補償など当てにせぬものよ」
精神的に規制する??
要は、褒美は貰うと!!!
ここらも文献により、差異があるようだ!!
三浦氏の要望は、和田義盛が侍所の別当に任じられる!
義明の孫である!!

上総広常が2万騎で遅参する??
奥州17万騎といい信用出来るのか??
「何をぐずぐずしていたのだ それで許されると思っているのか」
叱責されて、臣従する!!
「お前が頼りだ」とは言わなかった???
これを見て、一種の雪崩現象が起こる!!
敵対した畠山重忠、江戸、河越も降伏する!
東国武士団の旗揚げと言う!
頼朝は神輿である???
安房、下総、上総、武蔵の西国側の地方組織は壊滅する………

目代 山木兼隆に政子を嫁がそうとした??
これは嘘のようだ!

山木兼隆が伊豆にやってきたのは、旗揚げの1年前だと!
その時には大姫も生まれていた??

己が本拠地に頼朝を迎い入れた三浦は発言力を増す!
北条はまだ弱小ある……
平維盛の軍を、甲斐、信濃の源氏が破る??
ここには水鳥の話は出て来ない!!

伊豆は元来最大の政治犯を流すところのようだ!
そこへ慣例と言えど、頼朝を流すとは、
あまりに不用心だったと!!!


第二章 空白の意味するもの 上総広常の場合
1180年から直ぐに平家打倒に向かわなかった?
1183年である!
この間には??
◇ 平清盛が死ぬ
◇ 頼家が生まれる
◇ 頼朝は亀の前とよりを戻し、夫婦喧嘩を演じる?
どうもこの時期は飢饉だったようだ!

富士川の合戦で勝利を収めたが、すぐに上洛にはならない!
上総広常、千葉常胤らが反対する!
補給もある!!
その代わり、後方の憂いを断つために、常陸佐竹を攻める!
これは、千葉、上総の自分の利益にもなる!

これにより、恩賞は佐竹の領土で、源氏の佐竹を潰したと!
ライバルを消したと!!
結果としてこの待ったのは正解だったようだ!!

頼朝が佐竹のところに遊びに行った?
迎えた上総広常だけ下馬しなかった!!
「俺の家では、祖父さんの時から、誰にだってこれ以外のお辞儀はしたことがない」
何か、上杉謙信にも同じ話があるが………
図に乗り過ぎたと!!
梶原景時に謀殺される!! これもやりすぎと思うが…………
その前には、伊東祐親も殺している!!

源義仲が京へ攻め上る!!
東国は西国と妥協する!
㋑ 院に反抗したのではない、平家である
㋺ 目代は平家の息がかかっていたので討った
㋩ 平家の拝領した東海・東山・北陸道の社寺、皇室領、公家の荘園は元のまま

国衙量を手に入れたのに、国司の任命を任せたと?
上総広常は役目は終わったと!
老兵は消えゆくのみだと!!
この時期の頼朝には優秀な官僚が付いている!
三善康信、大江広元である!!


第三章 功名手柄  熊谷直実の場合
頼朝は鎌倉を動いていない!!
斎藤実盛の言葉!!
「合戦となれば親が討たれようと、子が討たれようと、
死屍累々の山を乗り越えて戦い続ける

西国武士は、親が討たれればやれ供養だと戦いを止め、
子討たれれば嘆き悲しみ戦いを止める

兵糧がなくなればまず田を作り、夏は暑いの、
冬は寒いと言って戦うのを嫌います

東国ではまったくそのようなことはない!!」

東国が勇猛なのは分かるが、西国武士の証言は割り引く必要があるのでは??
恩賞のためである!!
「御恩と奉公」
西国武士は寄せ集めである!!
著者は、正規社員VSアルバイト??
分かり易い例えである!!

一人の武将 熊谷直実である!!
大した勢力ではない!
ドイツ豆粒諸侯と同じか??
「一人当千」 活躍して御賞にあずかる!!
次はもっと活躍すると!!!
一の谷合戦で先陣の声を張り上げる!!
ライバルは平山季重!

◇ 名乗りは後の証拠になる! なので命がけで叫ぶ!
◇ 証人がいなくて、突っ込んで戦死したら何もならないので
  人のいないところでは戦わない??
◇ そう言って油断させて、先に突っ込み先陣になったと??
◇ 命がけだと!!!

熊谷直実は一の谷で平敦盛を討ち取る!!
が世の無常を感じ出家する!!
『吾妻鏡』『平家物語』
では出家はしたが、理由が違う!!
これでは西国は勝てないと!!
東国武士の「一所懸命」の執念がある!!
手柄を立てれば報われると!!!

江戸時代はそうではない!
もう土地がない!! 秀吉は成長のために朝鮮に侵攻した??
「奉公したとて御恩の無いのは当たり前、武士は恩賞目当てに働かない」
東国武士は、奉公と御恩で戦った???


第四章 東国ピラミッド  源平合戦の意味
◇ 1184年1月 木曽義仲討伐
◇ 同2月 一の谷勝利
◇ 1185年2月 屋島の勝利
◇ 同3月 壇ノ浦の戦い 平家滅亡   

小山政光のつぶやき! 恩賞である!
ほとんど家来を持たない連中は、自分で働くしかない!
自分たちは部下に働かせているが勇猛さは変わりない!
部下の手柄は主人の手柄、恩賞は主人に与えられて部下に行く!
家来の手柄は主君への忠誠!!

畠山重忠と大串重親の主従関係?
東国武士団は、一族の総帥と、兄弟親戚、主人と郎等、与力衆などで結ばれ、
頂点に頼朝がいる!
頼朝は鎌倉を動いていない!!
範頼、義経を向かわしている!
その戦の管理、監視、監督、報告には「眼代」と付ける!
土肥実平と梶原景時で、土肥実平は和田義盛に変る!
「軍監」「戦奉行」
口出しを許さない!! 嫌われるが、梶原景時は役目に忠実である!

畠山重忠の父、重能らは大盤で京にいたが、平家の都落ちで東国に帰る!
魂が東国にある抜け殻を持って帰っても仕方がない??
平家にはこのような家臣はいなかった??
最も立場が逆になれば分からないが………

範頼の統制も問題がある???
義常の奇襲で勝利を得た???
だいたい遠征軍である! 補給の問題もある!
だいたいどんなものを食べていたのか?? 干飯???
恩賞は東国には無い??? あっても少ない!!
それなら西国か??
和田義盛はこっそり逃げ帰ろうとしたようだ!!
東北ピラミッドの崩壊になる???
◇ 君に忠
◇ 直属上司への忠義は上部への忠義
◇ ひいては最高統治者への忠義
軍隊である! 俺の命令は天皇陛下の命令だ!!
組織とはこのようなものなのか???


第五章 「忠誠」の組織者  梶原景時の場合
鎌倉殿13人のメンバーである!!
前線に行っているが、和田義盛らか見れば何者かと??
頼朝に繋がっている!!
追い落とされたのは、頼朝亡き後である!!
鎌倉武士と言えば、畠山重忠! が、負け組である!!
三河武士と言えば、本多忠勝か???
悪者にされている、「鎌倉武士中の鎌倉武士」という声もある!
本拠地は、鎌倉市の梶原山と言う!
頼朝を助けた話は、作り話臭い?????
どちらかと言うと裏方の仕事に詳しい!!
ロジェステック担当か??
動員計画、補給もか? 
文費の才がある!!

◇ 上総広常をすごろくの遊びにこと付けて殺す!
  悪評にもかかわらず、頼朝に信頼される!
◇ 合戦の報告者が、他の武者たちの自慢話ではなく、客観的に報告する!
  木曽義仲、一ノ谷、屋島、壇ノ浦………
◇ めったにミスはしなかったようだ!

東国では、恩賞を与えるのは頼朝である!!
恩賞は、頼朝が与える! これは土地になる!
西国では別の恩賞権がある!!  官位、官職である!
頼朝は先に手を打つ!
かってに恩賞を与えて貰っては困ると!
自分が行うと!!

部下の手柄は頼朝の手柄だと!
◇ 頼朝への忠義を!
◇ 東国の武者よ、団結せよ!

義経との関係になる!!
景時は悪の代表みたいに言われている!
子供の頃はそれを信じた!!
義経、範頼は頼朝の代理である!
ここに眼代わりの、梶原景時、和田義盛、土肥実平を拝する!
決して大勢力ではない! わざとそう選んでいる!!
権力のある者は少なめに………
家康みたいである!!!

が義経と景時は対立する!!
それを報告すれば、義経の非難になる!!
20歳過ぎでこれだけの戦功をあげたら天狗にならない方がおかしいと!
占領地では、頼朝の指示を待つより独断専行も必要になる!!
が義経の独断専行がひどくなる!!
これは東国ピラミッドを守る政治的な争いになる!!

それ以前に官位の問題がある!
◇ 源範頼  三河守
◇ 一条能保 讃岐守 頼朝の姉婿
◇ 平賀義信 武蔵守 甲斐源氏
が義経は認められない!
別に望んだのではないが、院がどうしてもと言うので………
歴史的、政治的背景が全く分かっていない、軍事的天才か??
範頼が総大将であるが、やはり義経投入である!
天狗にならない方がおかしい!!
義経が任官したのだから構わない? 20数人で、景時は逐一報告している?
受け取った侍を罵倒している!
原文で紹介しているが面白い!!

頼朝の怒りがある!
「任官した者は帰ってくるな」
義経も平宗盛、清宗親子を輸送するが、鎌倉には入れない!
ここで腰越状を書く!!
しかし義経は全然わかっていないようだ! 何故叱責されるのか?
義経は言う!
「関東に恨みがある者は俺について来い」
これはどうだか………
20数人の任官した者はそのままだった??
ターゲットは義経一人だと!!
ではどうすれば許してもらえたのか??
出家か??
どうやっても殺される運命だった!!
義経に付いて行った人間は限られている!!
この小説、武蔵坊弁慶や伊勢三郎は出て来ないが………

 

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